研究課題/領域番号 |
11460156
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
森川 弘道 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00089129)
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研究分担者 |
高橋 美佐 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10294513)
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キーワード | 外来遺伝子 / 形質転換 / 核骨格結合部位(S / MAR) / パーティクルガン / タバコ培養細胞 / 遺伝子導入 / インテグレーション / GFP (green fluorescent protein) |
研究概要 |
形質転換タバコのトランスジーン配列から単離した核骨格結合部位(nuclear attachment region;SAR)であるTJ1配列をGFP(green fluorescent protein)遺伝子の発現カセットの両端に4種の向きが異なる発現ベクターを構築し、パーティクルガン法によりタバコ懸濁培養細胞に導入し、選択圧のない条件での形質転換細胞塊の数(形質転換効率)をもとめ、TJ1配列が外来遺伝子の組込(インテグレーション)を向上させるかどうかを調査した。 遺伝子導入3日後に新しい固形培地に移植した後、引き続き培養し、遺伝子導入5日、10日、20日、30日後に落射型実体蛍光顕微鏡下でGFPを発現している細胞塊数を計測した。その結果、遺伝子導入5日後には100細胞塊/ショット以上観察されていたが、遺伝子導入10日後には10前後まで減少し、それ以降は安定した数を示した。これは遺伝子導入5日後にはゲノムDNAに組み込まれた外来遺伝子の発現だけではなくプラスミドDNAの一過的な発現が観察され、10日後には一過的な発現はほぼ観られなくなりゲノムDNAに組み込まれた外来遺伝子の発現のみを観察しているためと考えられる。 また、遺伝子導入5日後にはTJ1配列を挿入した4種類のベクターおよびTJ1配列を挿入していないベクターを導入した実験間でGFPを発現している細胞塊数に顕著な違いは観察されなかったが、遺伝子導入10日後にはGFPを発現している細胞塊数はTJ1配列をもつベクターともたないベクター間で形質転換効率に平均値で約4倍の差が観察された。p<0.01またはP<0.05で有意の区もあった。TJ1配列を挿入した4種類のベクターを導入した実験区間では形質転換効率に顕著な差は観察されなかった。よって、TJ1配列の効果は向きには依存しないと結論された。
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