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2000 年度 実績報告書

ギャップ結合蛋白遺伝子変異マウスの分子解剖学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 11470005
研究機関九州大学

研究代表者

柴田 洋三郎  九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (90037482)

研究分担者 西井 清雅  九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (20264020)
稲井 哲一朗  九州大学, 大学院・医学研究院, 講師 (00264044)
中村 桂一郎  九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (20172398)
キーワードconnexin / gap junction / gene targeting / lacZ / NFATC1 / endocardial cushion / heart / A-V block
研究概要

ギャップ結合細胞間チャネルの組織細胞機能における役割を明らかにする目的で、Cx45遺伝子座と核移行LacZ遺伝子とを置換したノックインマウス個体を作製し、解析を行った。
(1)ヘテロ個体の成獣では、LacZシグナルは、脳、網膜、血管内皮および中膜平滑筋、心臓伝導路、腸管平滑筋など特徴的な発現分布パターンを示した。
(2)ホモ個体は出生に至らず、胚致死であった。即ち、8.5日胚まではメンデル比に対応したが、9.5日胚では発達障害と脳や全身の臓器原器に細胞死がみられ、10.5日では、胚の吸収が生じていた。
(3)心拍動は8.5日には認められたが、やがて伝導障害を生じ、房室伝導は完成しなかった。
(4)A-V canalとoutflow tractの内皮に強い発現標識が認められた。この領域での心内膜床の間葉細胞分化がホモ個体では障害されていた。
(5)ホモ個体の心内膜上皮においては、分化誘導因子であるNFATC1が活性型の核内分布を示さず、細胞質に偏在しており、不活性のままであった。
(6)おそらく、分化誘導を活性化するための前提となる、同期した細胞内Ca^<++>濃度の上昇などがCx45ギャップ結合チャネル欠損のため生じず、これが原因となって、epithelial-mesenchymal interactionによる心内膜床細胞への分化誘導が障害されるものと推論される。
(7)当初仮定とは異なり、心拍開始時の心筋細胞間コネキシンは、Cx45のみでなく、ホモ欠損個体でも、他の分子種により補完され、初期拍動が生じている。ギャップ結合構造は電顕観察でも確認された。しかし、房室伝導路や弁を形成するA-V canalとoutflow tractでは、心内膜上皮に唯一強くCx45のみが発現し、他から補完されないために、epithelial-mesenchymal interactionによる心内膜床が発達せず房室伝導がブロックされて心不全となり、全身循環不全から胚性死に至るものと結論される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] M.Kumai et al.: "Loss of connexin45 causes a cushion defect in early cardiogenesis."Development. 127. 3501-3512 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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