研究概要 |
【研究内容】 ● イメージング用に、以下の生きた状態の細胞・組織標本を作製した。(佐藤,斉野,宮田が担当) ● 上皮細胞:角膜上皮、グリアとニューロン:腸管神経叢,脊髄後根神経節,培養神経細胞・神経膠細胞、腺細胞:涙腺,ハーダー腺,膵腺房、筋肉細胞:培養心筋細胞,血管平滑筋、単離細胞:肥満細胞 ● 細胞質,細胞核,ミトコンドリアにおける細胞内カルシウムイオン濃度と一酸化窒素(NO)濃度の動態を可視化を試みた。(佐藤,葉原,斉野,宮田が担当) ● 以下の薬物・伝達物質で刺激あるいは抑制を下際の細胞応答を観察した。(佐藤,斉野が担当) ● 神経伝達(修飾)物質(Acetylcholine,Catecholamines,5-HT,ATP等)、細胞内情報伝達系直接刺激(Thapsigargin)、NOS阻害剤、電子伝達系阻害剤(TTFA,antimycin等)、光照射や過酸化水素水 ● インジェクション装置(平成11年度に予算申請)を,高速共焦点レーザー顕微鏡(Nikon RCM-8000改良型)に装着し,イオン感受性蛍光指示薬の注入テストをおこなった(葉原,小野寺が担当)。 ● 当該組織標本を,組織学的に調べ,細胞の種類を同定した。(佐藤,小野寺,宮田,斉野が担当) 【結論】 ● 本来の組織形態を保ったままで、個々の細胞の細胞内カルシウムイオン濃度変動が観察できた。 ● これまで観察困難であった細動脈の反応性を観察できた。 ● ニューロンとグリア細胞ではATPに対する反応が異なることが示された。 ● 細胞内カルシウムイオンの動態に加え、NOの濃度測定が可能になった。物理化学的な刺激による細胞障害にNOS非依存性のNO産生が関与している可能性が示唆された。 ● 今後はトランスポータやイオンチャネルの阻害剤や修飾物質(conotoxin,tetrodotoxin,ouabain等)の作用を検討する。
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