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1999 年度 実績報告書

高齢者の運動能・体温調節能決定因子としての体液調節系の役割

研究課題

研究課題/領域番号 11470015
研究種目

基盤研究(B)

研究機関信州大学

研究代表者

能勢 博  信州大学, 医学部, 教授 (40128715)

研究分担者 柳平 坦徳  信州大学, 医学部, 講師 (10020760)
キーワード高齢者 / 体力強化 / トレーニング / 運動処方 / 体温調節能 / 血液量 / 運動モデル / 健康機器開発
研究概要

平成11年度は以下の3つのテーマについて研究をおこなった。
1)高齢者の運動能・体温調節能維持機構における体液調節系の役割
年齢60歳以上の14名の男性を3つのグループ:コントロール群(n=4)、筋力トレーニング群(n=5)、持久性トレーニング群(n=5)にわけ、次のような運動トレーニングを負荷した。コントロール群では、8週間、56日のうち50日以上、一日9,000歩の運動を負荷し、筋肉トレーニング群では、1RMの80%の運動負荷を8回、3セットを一週間に3日間負荷し、持久性トレーニング群では自転車エルゴメータを用いて最大酸素摂取量の60-70%の負荷で1時間を週に3日間負荷した。その結果、トレーニング群ではコントロール群に比べて、最大酸素摂取量は有意に増加したが、血液量は増加しなかった。また、トレーニング群では暑熱環境下での運動時の皮膚血流、発汗量から評価した体温調節能も変化しなかった。一方、トレーニング群における最大酸素摂取量の増加は、大腿部筋断面積、筋力に比例した。以上の結果から、高齢者では、若年者で報告されているように血液量増加に伴う静脈還流量の増加によって、最大酸素摂取量、体温調節能が増加するのではなく、大腿筋力に最大酸素摂取量が依存していることが明らかとなった。また、最大酸素摂取量が増加しても、必ずしも体温調節能が増加しないことは、若年者とトレーニング効果が異なることが示唆される。
2)マウスを用いた実験モデルの確立
マウスに慢性にカテーテルを留置し、マウス運動走行時の動脈血圧、心拍数の連続測定が可能となった。
3)高齢者の現場トレーニングのためのヒト運動量連続測定装置の開発
3軸の半導体加速度センサーを用い、小型携帯型高精度ヒト運動量連続測定装置を開発に成功した。この器械は高齢者社会を迎え、高齢者の運動処方の確立に有効であり、来年度はその現場での応用に焦点をあて、実用化を目指す。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 能勢 博: "血液量からみた運動時暑熱障害予防のためのコンディショニング"関西臨床スポーツ医・科学研究会誌. 9. 67-70 (1999)

  • [文献書誌] Nose H, et al: "Effects of Cardiac Filling on skin blood flow and plasmalactati concentration during exercise."1998 Int. Symp. on Human Biometeorology. 80-85 (1999)

  • [文献書誌] 能勢 博: "持久性運動能向上のための新しいトレーニング法の開発 -高地(低圧低酸素)、暑熱環境への同時曝露の試み-"日本生気象学会誌. 36(3). S22 (1999)

  • [文献書誌] Nose H, et al: "Effect of dehydration on skin blood flow in heat."Satellite Symposium on Advances in Environmental Physiology. 12 (1999)

  • [文献書誌] 能勢 博: "高齢者の体力強化のための運動負荷基準設定"日本体力医学会誌. 49(1). (2000)

  • [文献書誌] 伊藤淳一 他2名: "ヒト歩行時の運動量連続測定装置の開発とそのエネルギー効率解析への応用"体力医学. 48(6). 933 (1999)

  • [文献書誌] Nose H, et al: "Exercise, Nutrition, and Environmental Stress"Cooper Publishing Group LLC, Carmel, IN, U.S.A.. 300 (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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