研究課題/領域番号 |
11470019
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 宮崎医科大学 |
研究代表者 |
河南 洋 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (00049058)
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研究分担者 |
加藤 和男 宮崎大学, 医学部, 助手 (80284834)
花森 隆充 宮崎大学, 医学部, 助教授 (20041858)
西森 利数 宮崎大学, 医学部, 教授 (20112211)
石塚 雄太 宮崎大学, 医学部, 助手 (20264377)
國武 孝人 宮崎大学, 医学部, 助手 (20234461)
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キーワード | 視床下部室傍核 / 心血管系 / 体液調節 / 浸透圧受容 / in vivo マイクロダイヤリシス法 / グルタミン酸 |
研究概要 |
食塩負荷により、血圧上昇、バゾプレッシン分泌や飲水行動が誘起されることはよく知られているが、未だにその脳内メカニズムについては不明な点が多い。例えば、高張食塩/ナトリウムの脳内受容部位、またその受容メカニズム特に関与する情報伝達物質についてはまだ明らかでない。これまで脳内のナトリウム/浸透圧受容部位としては第III脳前壁腹側部(AV3V)領域、特に脳室周囲器官の1つの終板器官がその候補に挙げられているが、また視策上核(SON)/室傍核(PVN)の神経分泌ニューロン自身も感受性を有するとの報告がある。そこで今回、その一つであるPVNへの高張食塩水局所投与による心血管反応のメカニズムについて検討した。 1.意識下ラットのPVNをin vivoミクロダイヤリシスプローブを介して高張食塩水(0.3M、0.45M、0.76M)で灌流すると、負荷食塩水濃度に依存して、血圧上昇と心拍数増加反応がみられた。閾値は0.45Mであった。 2.灌流液中のノルアドレナリン濃度は0.75M NaClで、一酸化窒素代謝(No_x)濃度は0.3M NaClで、またグルタミン酸濃度は0.45M NaClで有意な増加反応を示した。 3.PVNへの高張食塩水負荷による上記血管反応に内因性グルタミン酸が関与しているかどうかをアンタゴニストを用いて検討した。NMDAレセプターアンタゴニスト(MK801)と高張食塩水(0.45M)の混合液でPVNを灌流すると、血圧と心拍数増加がvehicle投与に比較して有意に制御された。一方、AMPAレセプターアンタゴニスト(CNQX)によっては影響されなかった。 これらの結果より、中枢内高張食塩水急性負荷による心血管系反応の少なくとも一部に内因性グルタミン酸がNMDAレセプターを介して、関与していることが示唆された。
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