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2000 年度 実績報告書

エンドセリンおよびアンジオテンシン受容体シグナル伝達機構の分子薬理学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 11470021
研究機関山形大学

研究代表者

遠藤 政夫  山形大学, 医学部, 教授 (40004668)

研究分担者 蓬田 伸一  山形大学, 医学部, 助手 (90292440)
石井 邦明  山形大学, 医学部, 助教授 (10184459)
キーワードNa-Ca交換機構 / Na-H交換機構 / 細胞内アルカリ化 / Caトランジェント / Ca感受性増強 / 心室筋細胞、ウサギ / プロテインキナーゼC / 陽性変力作用
研究概要

ETおよびAng II受容体刺激は、その情報伝達機構の活性化を介して循環器系疾患の病態生理学的な細胞機能および遺伝子発現の調節により病状の進行、細胞の肥大およびレモデリングにおける重要な役割が提唱され、その情報伝達機構の解明はこの分野におけるもっとも重要な研究課題となっている。しかしintactな心筋細胞においてPKCを活性化するホルボールエステルおよびPKC阻害薬(カルホスチンC、チェレリスリンなど)は生化学的な実験結果から予想される調節効果を発揮しない。今回、PI代謝とそれに引き続く情報伝達系による心筋細胞機能調節、ことに受容体を介する収縮調節に焦点を絞って実験を実施した。エンドセリン-1(ET-1)およびアンジオテンシンII(AngII)は、細胞内Ca動員作用と収縮タンパクCa感受性増強作用を発揮する。このCaシグナル調節には、DGAによるPKC活性化と、それに引き続いて起こるNa/H交換機構の活性化による細胞内アルカリ化とNa蓄積によって二次的に起こる細胞内Ca上昇が寄与していることが考えられる。しかしintact(無傷)な心筋細胞におけるこれらの機序の役割に関しては、使用されるイオン交換機構阻害薬の選択性の低さから仮説の実験的な裏付は困難を極め一致した見解は得られていない。ウサギ単一心筋細胞におけるET-1による細胞短縮増強はNa/H交換機構阻害薬のHOE642およびKB-R9032で選択的に(イソプロテレノールによる反応には全く影響を与えることなしに)遮断された。一方ET-1によるCaトランジェントの増強はNa/Ca交換機構阻害薬KB-R7943で選択的に遮断される。さらにwhole cell patch clump法で測定したIL,Ca電流はET-1により顕著な変化を示さなかった。これらの実験結果は、エンドセリンおよびアンジオテンシンII受容体を介するCaシグナルの調節に上記のイオン交換機構の活性化が大きく寄与していることを示唆する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Endoh,M: "Cardiac action of Angiotensin II"Heart Physiology and Pathophysiology . Fourth Edition. 609-631 (2001)

  • [文献書誌] Chu,L.: "Biphasic inotropic response to endothelin-I in the presence of various concentrations of norepinephrine in dog ventricular myocardium."J.Cardiovasc.Pharmacol.. 36. S9-S14 (2000)

  • [文献書誌] Qiao,X.: "Pharmacological characteristics of inhibitory action of the selective α_1-antagonist JTH-601 on the positive inotropic effect mediated by α_1-adrenoceptors in isolated rabbit papillary muscle."Jpn.J.Pharmacol.. 84. 301-309 (2000)

  • [文献書誌] Wang,H.: "Pharmacological analysis by HOE642 and KB-R 9032 of the role of Na^+/H^+ exchange in the endothelin-1-induced Ca^<2+> signalling in rabbit ventricular myocytes."Br.J. Pharmaeol.. 131. 638-644 (2000)

  • [文献書誌] Watarabe,T.: "Antiadrenergic effects of endothelin-1 on the L-type Ca^<2+> current in dog ventricular myocytes."J.Cardiorasc, Pharmacol.. 36. 344-350 (2000)

  • [文献書誌] Watarabe,T.: "Characterization of the endothelin-1-induced regulation of L-type Cal^<2+> current in rabbit ventricular myocytes."Naunyn・Schmiedeberg's Arch. Pharmacol.. 360. 654-664 (1999)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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