研究課題/領域番号 |
11470025
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
福永 浩司 熊本大学, 医学部, 助教授 (90136721)
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研究分担者 |
笠原 二郎 熊本大学, 医学部, 助手 (10295131)
山本 秀幸 熊本大学, 医学部, 講師 (60191433)
宮本 英七 熊本大学, 医学部, 教授 (50109659)
竹内 有輔 熊本大学, 医学部, 助手 (90336214)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | NMDA受容体 / scaffold protein / CaMキナーゼII / PSD-95 / SAP102 / ドーパミン受容体 / 海馬 / 興奮性シナプス |
研究概要 |
佐谷博士らはショウジョウバエのdiscs large (dlg)癌抑制蛋白質のヒトのホモログをクローニングしてNE-dlgと名付けた。NE-dlgはNMDA受容体のNR2BサブユニットのC末端に結合して、NMDA受容体を興奮性シナプスにクラスタリングさせる機能を持っている。最初に私達は神経細胞においてNE-dlgがNMDA受容体と同じ部位に発現することを示した(J.Biol.Chem.,1999)。in vitroにおいてNE-dlgがCaMキナーゼIIの良好な基質であることから、in situにおけるリン酸化反応を培養海馬細胞、海馬切片で調べた。グルタミン酸受容体刺激に伴ってNE-dlgがリン酸化されること、海馬での長期増強(LTP)においてCaMキナーゼII依存性にリン酸化されることが解った。リン酸化反応によってNR2BとNE-dlg結合は阻害された。CaMキナーゼIIの活性を抑制するとNMDA受容体の膜での発現は阻害された。成熟ラット脳の興奮性シナプスではNE-dlgに変わってPSD-95が発現していること、受容体の構成成分も発達に伴ってNR2BからNR2Aに変換されることと考え合わせるとCaMキナーゼIIによるNR2BとNE-dlgの結合の阻害がNMDA受容体の成熟型への変換に関与する可能性が示唆された。最近、私達はドーパミンD2受容体がCaMキナーゼII依存性に細胞膜にトランスポートされることを見い出した。このD2受容体のトランスポートにはC末端必須である。酵母のツーハイブリッド法を用いて結合蛋白質を検索中である。以上の研究により受容体の膜でのリサイクリング、クラスタリングにおけるCaMキナーゼIIの新たに機能が明らかとなった。
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