研究課題/領域番号 |
11470029
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
遠藤 正彦 弘前大学, 医学部, 教授 (20004616)
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研究分担者 |
岩船 美都 弘前大学, 医学部, 助手 (80312487)
柿崎 育子 弘前大学, 医学部, 助手 (80302024)
高垣 啓一 弘前大学, 医学部, 助教授 (70163160)
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キーワード | プロテオグリカン / 糖鎖組み換え / 糖鎖工学 / リコンビナントプロテイン / エンド型グリコシダーゼ / エンド-β-グルクロニダーゼ / ヒアルロニダーゼ / 糖転移反応 |
研究概要 |
1.研究の背景と目的:第三の情報高分子の一つ、プロテオグリカンの糖鎖・グリコサミノグリカンには、様々な生物活性が組み込まれている。現在の分子生物学及び有機化学において、この情報高分子を合成するという技術は確立されていない。このため、遺伝子工学的に合成される糖鎖の欠落したリコンビナントのタンパク質への糖鎖の導入ができない。そこで、グリコシダーゼの加水分解反応の逆反応としての糖転移反応を用いて、プロテオグリカンの糖鎖の組み換えと、その糖鎖のリコンビナントタンパク質への導入とによる、酵素的完全合成プロテオグリカンの合成法の確率をめざした。 2.研究の実施と成果:1)糖鎖組み換えの基となる糖鎖のキャリヤーとしては、培養細胞の培地に、キシロシル-(4-メチルウンベリフェロン)を添加して培養すると得られるオリゴ糖が有効であることを発見した。2)組み換え糖鎖の供与体としては、酵素的に調製されたオリゴ糖の還元末端側を2-アミノピリジンで蛍光標識した糖鎖が、有効であることを発見した。3)糖鎖の組み換え(糖鎖転移反応)に有効な酵素としては、精巣性ヒアルロニダーゼが有効で、その反応の機構を明らかにした。4)組み換え糖鎖を前述の糖鎖キャリヤー上に合成させ、これをタンパク質に導入させるのに有効な酵素として、エンド-β-キシロシダーゼを発見した。現在この糖鎖導入システムの検討が精力的に行われている。 3.研究の今後の展開:糖鎖を組み換える方法の原則は確立されたので、今後は、様々な糖鎖を利用して、任意にデザインされた糖鎖が自由に組み換えられるように応用範囲を広げることにある。一方、組み換え糖鎖を、リコンビナントのペプチドのある特定の位置のアミノ酸(セリン及びトレオニンに限る)に位置選択的に導入する方法は、きわめて重大、且つ困難な課題である。これらに向かった新たな研究の展開が進められよう。
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