1.マウス大動脈平滑筋細胞を分離し、酸化LDLによりストレスタンパクであるHO-1、A170、Peroxiredoxin Iが誘導することを見出したが、その誘導効果はマクロファージに比較して弱かった。酸化LDLに含まれ、脂質過酸化により細胞内でも産生される4-hydroxynonenal(HNE)がストレスタンパク質の誘導効果を持つことを見出した。HNEによるストレスタンパク質の誘導は転写因子Nrf2にかなり依存していた。 2.マウス平滑筋細胞、心臓血管内皮細胞においてHNE処理によりNrf2が核へ移行し蓄積する現象を見出した。また、同様の刺激でA170が核に移行することを見出した。両者の現象は独立に起きると思われた。DEM(ジエチルマレイン酸)のA170核移行効果はHNEと比較して弱かった。HNEによるA170の核移行現象は新しいストレス応答反応である。
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