1.マウス腹腔マクロファージは大動脈血管平滑筋細胞に比較して、酸化LDLによるストレスタンパクHO-1、A170、Peroxiredoxin Iを誘導する効果が大きい。この差について検討した結果、酸化LDLの受容体であるCD36がマクロファージに高レベルで発現しているが、平滑筋細胞には発現していないことをCD36抗体と同cDNAを用いたノーザン法により明らかにした。 2.血管平滑筋細胞において酸化ストレス刺激によりA170が細胞質から核へ移行する現象をさらに解析したところ、A170の核移行はエクスポーチンの阻害剤であるレプトマイシンB処理でも観察された。この結果は、A170が核から排出される機構が酸化的ストレス下では阻害され、その結果としてA170が核内に止まることを示唆している。 3.ディーゼル排出微粒子の健康障害性と関連した研究で、主要なキノンであるフェナントラキノンがマクロファージに対して強い細胞障害性を持つことを見いだした。この細胞死と関連して、細胞生存系のストレスタンパク質が同キノン処理中に特異的に分解される現象を見いだした。
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