研究課題/領域番号 |
11470040
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
青山 俊文 信州大学, 医学部, 教授 (50231105)
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研究分担者 |
那須 民江 信州大学, 医学部, 講師 (10020794)
原 厚 信州大学, 医学部, 講師 (70126697)
上村 敬一 信州大学, 医学部, 助教授 (80012756)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | PPARα / ミトコンドリア膨満 / C型肝炎ウイルス・コア蛋白 / 脂肪肝 / CuZnSOD / 酸化ストレス / β酸化酵素 / 繊維化 |
研究概要 |
PPARα-ノックアウトマウスに4%アルコール含有液体食を6ヵ月間与えると、全ての個体が血中AST-ALTの上昇、肝肥大、脂肪肝、炎症、繊維化、アポトーシス、ミトコンドリア膨満を呈し、ヒトのアルコール性肝障害のモデルマウスとして極めて有用であることが確認された.肝炎発生機序を検索したところ、(1)アルコールを投与したPPARα-ノックアウトマウスではアセトアルデヒド生成酵素であるアルコール脱水素酵素とチトクロームP4502E1が増加し、アセトアルデヒド分解酵素であるアルデヒド脱水素酵素が著しく減少した.明らかに、肝臓細胞内のアセトアルデヒド濃度が上昇して、細胞毒性が高まったものと判断された.(2)アルコールを投与したPPARα-ノックアウトマウスではグルタチオンペルオキシダーゼ・CuZnSOD・カタラーゼ等が著しく減少することから、肝細胞内の酸化ストレスは増加し、細胞毒性が高まったものと判断された.(3)ミトコンドリア膨満による各種代謝障害が細胞維持機能を低下させたものと判断された.肝肥大の発生は、アルコールを投与したPPARα-ノックアウトマウスにおける各種生長因子(HGFα・TGFα・TGFβ1)の発現増加および多分子種の細胞周期調節因子の発現増加に起因するものと判断された.また、TGFβ1の発現増加が繊維化の主因であると判断された. C型肝炎ウイルス・コア蛋白トランスジェニックマウスの肝臓因子を解析したところ、核内PPARαが増加し、かつ、中程度に活性化されていることが明らかになった.核内PPARαの活性化により、多種の発癌遺伝子産物および細胞周期調節因子の発現増加がおこり、かつ、正常的アポトーシスからの離脱がおこる.これにより、異常細胞が多中心的に出現し、加齢依存的に前癌細胞が形成されるという結論に到った.
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