研究課題/領域番号 |
11470041
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態医化学
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
中村 俊一 神戸大学, 医学部, 教授 (40155833)
|
研究分担者 |
岡田 太郎 神戸大学, 医学部, 助手 (80304088)
三輪 教子 神戸大学, 医学部, 助手 (50202354)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
キーワード | ホスホリパーゼD / G_<M2>アクチベーター / ADP-リボシル化因子 / 細胞内情報伝達 / コリン燐脂質 |
研究概要 |
私達は近年phospholipase D(PLD)の活性化にガングリオシドの代謝に重要な調節因子として知られるG_<M2>アクチベーターが関与していることを報告した。そこで初年度においては、G_<M2>アクチベーターによるPLDの活性化様式をin vitro及び細胞系を用いて解析した。G_<M2>アクチベーターは、リコンビナントのPLD1及びPLD2をin vitroで用量依存性に活性化した。PLD1のG_<M2>アクチベーターによる活性化は、ARFおよびPKCによる活性化に対して相乗的に起こった。一方、PLD2の活性化に関しては、ARFおよびPKCは無効であったのに対し、G_<M2>アクチベーターにより単独で約5倍の活性化が見られた。 最終年度においては、前年度の研究結果を受けそれを更に生理的意義解明及び病態解析に向けて研究を行った。G_<M2>アクチベーターが欠損することが知られる線維芽細胞を用いて、刺激依存性のPLD活性化能を測定したところ、コントロールの線維芽細胞を用いたときと活性化のパターンは同じであった。一方、G_<M2>アクチベーターに対するドミナントネガティブ変異体を発現したNIH3T3細胞やCHO細胞を用いてPLDの活性化能を調べたところ、コントロール細胞に比べドミナントネガティブ変異体を発現した細胞では、刺激に依存したPLDの活性化能が顕著に抑制されていた。これらの結果を総合すると、正常細胞ではG_<M2>アクチベーターの外にリダンダントな機能を有する蛋白質が発現していて、G_<M2>アクチベーターがPLDの活性化の律速的な調節機能は有していないが、G_<M2>アクチベーターはリダンダントな機能を有する蛋白質と共にPLDの活性調節に重要な機能を担っていることが強く示唆された。今後更にこれらの機能を有する蛋白質の同定が重要な課題である。
|