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1999 年度 実績報告書

ノックアウトマウスを用いた痛みの発症機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 11470044
研究種目

基盤研究(B)

研究機関関西医科大学

研究代表者

伊藤 誠二  関西医科大学, 医学部, 教授 (80201325)

研究分担者 裏出 良博  大阪バイオサイエンス研究所, 第2部門, 部長 (10201360)
松村 伸治  関西医科大学, 医学部, 助手 (70276393)
芦高 恵美子  関西医科大学, 医学部, 講師 (50291802)
キーワードプロスタグランジン / プロスタグランジンD合成酵素 / ノックアウトマウス / グルタミン酸受容体 / アロディニア / C線維 / シセプチン・オーファニンFQ / PGE_2
研究概要

我々はプロスタグランジン(PG)をはじめとする生理活性物質の髄腔内投与による痛みのの動物モデルを確立している。これまでのオピオイドペプチドと反対に、新規オピオイドペプチド・ノシセプチン・オーファニンFQ(Noc/OFQ)が痛覚過敏反応とアロディニア(触覚刺激による痛み)を誘発すること、さらに、Noc/OFQ前駆体蛋白質上にNoc/OFQの痛覚過敏反応とアロディニアを抑制する17個のアミノ酸からなる新規生理活性ペプチドが存在することを見いだし、ノシスタチンと名づけた。今年度はノックアウトマウスを用いた痛みの発症機構を検討し、以下の知見を得た。1)PGD合成酵素のノックアウトマウスでは、PGF_<2α>のアロディニアは出現したが、PGE_2のアロディニアは出現しなくなった。2)fgオーダーのPGD_2を同時投与することにより、アロディニアが出現することから、PGD_2はアロディニアの誘導と抑制の両方に関与していることが判明した。3)グルタミン酸NMDA受容体ノックアウトマウスを用いて、PGとNoc/OFQのアロディニアにグルタミン酸が関与することとそのサブタイプの同定を行った。4)幼児期のカプサイシン処理でC線維を除去したマウスでは、PGF_<2α>のアロディニアは出現したが、PGE_2とNoc/OFQのアロディニアが出現しなくなった。アロディニアは触覚刺激がAβ線維を介することから、これまでアロディニアもAβ線維を介すると考えられてきたが、本研究でPGE_2とNoc/OFQのアロディニアがAβ線維ではなく、カプサイシン感受性の一次求心性線維を介することが初めて証明された。今年度ノックアウトマウスやカプサイシン処理などの発生工学的手法で痛みの発症機構が解明されたが、来年度はPG合成酵素や受容体のノックアウトマウスを用いて発症機構を進めている予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Eguchi,N.: "Lack of tactile pain (allodynia) in lipocalin-type prostaglandin D synthase-deficient mice"Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.. 96. 726-730 (1999)

  • [文献書誌] Minami,M.: "Involvement of primary afferent C-fibers in touch-evoked pain (allodynia) induced by prostaglandin E_2"Eur.J.Neurosci.. 11. 1849-1856 (1999)

  • [文献書誌] Lee,T.-L.: "Indetification of human,rat and mouse nocistatin in brain and cerebrospinal fluid"NeuroReport. 10. 1537-1541 (1999)

  • [文献書誌] Nakano,H.: "The Effect of intrathecal nocistatin on the formalin-induced pain in mice versus that of nociceptin/orphanin FQ"J.Pharmacol.Exp.Ther. 292. 331-336 (2000)

  • [文献書誌] Minami,T.: "Characterization of nociceptin/orphanin FQ-induced pain in responses in conscious mices:neonatal capsaicin treatment and NMDA receptor GluR ε subunit knockout mice"Neuroscience. (in press). (2000)

  • [文献書誌] Ito,S.: "Central role of nociceptin/orphanin FQ and nocistatin:allodynia as a model of neural plasticity"Progress Brain Res.-Nervous system plasticity and chronic pain. (in press). (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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