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2000 年度 実績報告書

サイトカイン(IL-18、IL-12)による多臓器障害の解析-腺組織を主として-

研究課題

研究課題/領域番号 11470045
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

岡村 春樹  兵庫医科大学, 医学部, 教授 (60111043)

研究分担者 柏村 信一郎  兵庫医科大学, 医学部, 講師 (00185761)
キーワードインターロイキン18 / インターロイキン12 / 一酸化窒素 / 涙腺
研究概要

IL-18(インターロイキン18)は1995年に当該機関で発見され、その後国内外で盛んに研究され、その生理学的作用が急速に明らかにされた。特に感染防御や免疫応答における役割が解明され、γ型インターフェロン、Fasリガンド、iNOS、COX-2、NK活性などの産生誘導や増強作用を示すことが明らかにされ、これらはAnnual Review of Immunologyに総説としてまとめた。一方これらの生物火星は炎症反応と深く関わっている。今回の研究によりIL-18のみをマウスに投与しても見かけ上何ら変化がないが少量のIL-12と組み合わせて投与すると腸、肝臓、胸腺、涙腺、膵臓などに重篤な障害をもたらすことIFN-γ欠損マウスではそれが起こらないこと、iNOS欠損マウスでは障害の表れ方が弱く、特に涙腺には全く変化がみられないことなどが明らかになった。障害は涙腺などの腺組織において最も早くから現れアポトーシスを起こした細胞が多数観察された。また様々なプロテイアーゼインヒビターによって障害が抑制されることも認められた。このようなことからIL-18による急激な臓器障害はIFN-γが中心的な役割をしているがIFN-γのみによって起こるのではなく一酸化窒素の産生などを介して起こることが示された。涙腺、唾液腺の障害はシェーグレン症候群において観察されることであり、これらの疾患におけるIL-18の役割の解明の必要性も示唆された。このようにIl-18はIL-12と共に強力なdestructive pathwayを形成するが、最近になってIL-18単独では、抗炎症性のサイトカインも誘導することや組織の繊維化、修復ひいては再生においてもなにか役割を担っていることが示唆され新しい段階を迎えたといえる。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Ohkusu,K.: "Potentiality of Interleukin-18 as a useful reagent for the treatmentand prevention of Leishmania major infection."Infect.Immunity.. 68. 2448-2456 (2000)

  • [文献書誌] Fujimori,Y.: "Elevated interleukin (IL)-18 levels during acute graft-versus-host disease after allogeneic bone marrow transplantation."British.J.Haematology.. 109. 652-657 (2000)

  • [文献書誌] Chikano,S.: "IL-18 and IL-12 induce intestinal inflammation and fatty liver in mice in an IFN-γ dependent manner."Gut.. 47. 779-786 (2000)

  • [文献書誌] Kodama,T.: "IL-18 deficiency selectively enhances allergen-induced eosinophilia in mice."J.allergy Clin.Immunol.. 105. 45-53 (2000)

  • [文献書誌] Shigehara,K.: "Increased levels of interleukin-18 in patients with pulmonary sarcoidosis."Am.J.Respir.Crit.Care.Med.. 162. 1979-1982 (2000)

  • [文献書誌] Kikkawa,S.: "A comparative analysis of the antigenic, structural, and functional properties of three different preparations of recombinant human interleukin-18."J.Interferon.Cytokine.Res.. 20. 179-185 (2000)

  • [文献書誌] Okamura,H.: "Academic Press."IL-18 receptor.. 5 (2000)

  • [文献書誌] Nakanishi,K.: "Annu.Rev.Immunol."Interleukin-18 regulates both Th1 and Th2 responses.. 5 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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