研究概要 |
1.胃腺腫70病変、粘膜内高分化腺癌52病変を比較すると、腺腫ではApoptotic index(Al)が有意に高く、Ki-67Llは有意に低かった。その規定因子として腫瘍内微小血管、血管新生因子であるthymidine phosbhorylase、FASおよびP53発現が関連していた。 2.食道癌100例、胃癌111例の検討から、Cyclooxygehase-2(COX-2)発現症例ではAlが有意に低く、腫瘍内微小血管密度は有意に高く、しかも、両者は有意な逆相関を示した(r=0.30、P<0.01)。予後との関連はなかった。 3.胃癌細胞株7珠,(MKN-1,7,-28,-45,-74,TMK-1,KATO-III)におけるFas遺伝子5'側領域の転写、開始点近傍のCpGアイランドにおけるメチル化を検したたが、高メチル化状態は検出されなかった。 4.206ng/mlの抗FAS抗体添加により、胃癌細胞株MKN-45、74およびヒトT細胞性リンパ腫細胞Jurkatにアポトーシスが種々の程度に誘発された。何れにおいてもBidの切断された。チトクロームcのミトコンドリアから細胞質への放出およぴCaspase-9阻害剤によるアポトーシス抑制は胃癌細胞株のみで見いだされた。胃癌培養細胞株におけるFASを介するアポトーシスシグナルはJurkatと異なり、ミトコンドリア経路である。 5.ARPP蛋白と相互作用する分子を明らかにする目的で、yeast two-hybrid systemによるスクリーニングを行い、新規遺伝子C22ORF2を同定した。C2O0RF2 mRNAはヒト正常細胞においてubiquitpusに発現しでいた。ヒ卜正常骨格筋では、ARPP蛋白と同様、横紋状の免疫活性が見いだされた。
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