研究概要 |
1.EBV関連ウイルスDNAのシークエンス解析 重要なヒトEBVの遺伝子EBNA1と相同領域DNAを、三種類のカニクイザル由来EBV(Cyno-EBV,Si-IIA-EBV,HVMF1)を用いてPCRで増幅し、sequencingを行い、ヒトEBVとの相同性をDNAとアミノ酸配列で比較した結果をデータベースに登録(DNA Data Bank of Japan,AB037275:AB037276;AB037277)するとともに、論文で公表した(Intervirology 2000,43:102-106)。 2 長期生存感染家兎におけるEBV関連病変の検討 現在使用しているウイルスの感染では、ウサギはほとんど長期生存できないので、別のEBV関連ウイルス(HVP)による潜伏感染ウサギモデルの作製を試みた結果、予期せずに、致死的なEBV関連血球貪食症候群の良い動物モデルになるところのHVPによるウサギの血球貪食症を伴う高率な致死的リンパ球増殖異常のモデルを確立して、Am J Pathol(2001,in press)に報告した。本来の長期生存感染家兎モデルは作製できなかったため、SCIDマウスにEBV関連ウイルス潜伏感染ウサギのリンパ組織を移植して、日和見リンパ腫の動物モデルも作製することもできなかった。 3.ヒトへのサル由来ウイルスの感染性の検討 大学に保存しれている多数のヒト症例(悪性リンパ腫等)のDNAを用いて,サル由来EBV関連ウイルス(Cyno-EBVやHVP)のみを検出してヒトEBVを増幅しないPCRのprimersを設定してPCRを行い、人体材料にサル由来ウイルスのDNAが存在するかどうかを検討したが、人体材料におけるサル由来EBV関連ウイルスのDNAの存在は証明できなかった。
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