研究課題/領域番号 |
11470059
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中川 和憲 九州大学, 大学院・医学研究院, 講師 (50217668)
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研究分担者 |
中島 豊 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (50135349)
石橋 浩晃 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (90254630)
居石 克夫 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (70108710)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | 血管内皮細胞 / 遺伝子導入 / 遺伝子治療 / 血管リモデリング / 血管新生 |
研究概要 |
脈硬化、血栓症や糖尿病性血管病変など病的血管リモデリングについての分子病態解明と、その新規治療法の確立が医学的・社会的急務である現状を踏まえ本年度研究を行った。 その結果、動脈硬化進展における血管新生に関連し、動脈硬化を含めた病的血管リモデリングの発生病態を炎症・修復反応として総括しうる事、その誘導因子としてVEGFを中心としたサイトカインネットワークによる細胞間相互作用が重要な事を明らかにした。また、急性下肢虚血動物モデルでの外来性VEGF、FGF2による側副血行路発達促進効果の検討より、血管新生の最終作用因子はVEGFであるが、血流増加にはFGF-2など他の血管新生因子の協調作用が不可欠で、血管新生因子(VEGF、HGF、FGF-2)にはFGF-2→HGF→VEGFという階層性がある事を示唆した。この時、FGF-2によるHGF発現は、MAPK系を介する事が判明した。 またラット肺高血圧症モデルにおける肺血管リモデリングには血管壁を中心としたマクロファージ浸潤による組織改変が重要であることを明らかにしたほか、性関節リウマチにおける血管新生の病態学的意義に関連し、ラットアジュバント関節炎モデル(AIA)の検討より、FGF-2がAIAの発生・進展における中心的な調節因子であり、これの機能制御はRAの新たな治療戦略となり得ることを明らかにした。 今後は、こうした病的血管リモデリング基礎の研究成果を元に、関連諸疾患に対し、治療アプリケーションの早期開発が望まれるところである。さしあたって、本研究成果により「下肢虚血に対するSeV-FGF2遺伝子導入による血管新生療法」を九州大学学内倫理委員会に申請し(審査中)、臨床応用の準備段階にあるが、ほかの成果についても、臨床応用に向けさらに発展・応用させていく予定である。
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