研究課題/領域番号 |
11470068
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
池 康嘉 群馬大学, 医学部, 教授 (60125820)
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研究分担者 |
富田 治芳 群馬大学, 医学部, 助手 (70282390)
藤本 修平 群馬大学, 医学部, 講師 (90241869)
谷本 弘一 群馬大学, 医学部, 助教授 (40188389)
小澤 良之 群馬大学, 医学部, 助手 (00292582)
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キーワード | 腸球菌 / VRE / 付着因子 / 接合伝達性プラスミド |
研究概要 |
(1)バンコマイシン耐性腸球菌の研究 日本において1996年12月VREが人から最初に分離されて以来、数施設、10数人の患者から分離された。VanA型VRE及びタイ産輸入鶏肉由来VanA型VRE15株のVanA型遺伝子解析を行った。その結果患者由来VRE3株(2施設)とタイ産鶏肉由来VREのVan遺伝子の特定(VanS遺伝子の3箇所)の部位に、野生型と異なる変異があることが解った。この結果、輸入食品(鶏肉)を介してVREが伝播することが強く示唆された。 (2)付着因子の研究 臨床分離腸球菌の中に高頻度に膀胱組織に付着する腸球菌(E.faecalis)が存在することが解った。この組織への特徴的な付着因子をin vitroで解析する方法を新たに開発し日和見感染菌であるE.faecalis付着因子の解析を可能にした。この方法はマイクロプレートに人の細胞マトリックスを固定したものへの腸球菌の付着を顕微鏡で定景することによるものである。この方法を用いて、E.faecalisの組織への定着にはE.faecalis菌体表面の複数の付着因子が必要であることが解明した。 (3)接合伝達性プラスミドの研究 グラム陽性菌のE.faeciumから世界で初めて、液体培地中で高頻度に接合伝達するプラスミドを分離した。このプラスミドの分子遺伝学的解析を行っている。現在までに菌と菌の接合からプラスミドの伝達にいたる過程に必要な遺伝子の中で接合に必要な遺伝子が同定された。 (1)、(2)、(3)それぞれの研究成果について現在、国際誌への論文作成中である。 (2)(3)の成果について、2000年にカナダのバンフで開催された国際腸球菌会議の招請シンポジウムで発表した。
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