研究課題/領域番号 |
11470071
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
島村 忠勝 昭和大学, 医学部, 教授 (50056149)
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研究分担者 |
柳川 容子 昭和大学, 医学部, 助手
山口 晃史 昭和大学, 医学部, 講師 (70210359)
大久保 幸枝 昭和大学, 医学部, 講師 (40053938)
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キーワード | カテキン / 抗菌 / 抗ウイルス / MRSA / ヘリコバクター / サルモネラ / HIV / 併用効果 |
研究概要 |
カテキンと抗微生物薬の併用効果とそのメカニズムに関して研究を行った。1.MRSA に対するカテキンとβ-ラクタム剤の併用効果のメカニズムに関しては、カテキンがMRSAのPBP2'の合成やmecA遺伝子の発現を抑えるのではなく、細胞膜や細胞壁に直接作用して、β-ラクタム剤との相乗効果を示すことが示唆された。2.ヘリコバクターに関しては、カテキン単独で、抗菌・殺菌効果があり、カテキンとアモキシリンの併用効果も標準株で認められた。クラリスロマイシン高度耐性株に対しては、カテキンとクラリスロマイシンあるいは、プロトンポンプ阻害剤を併用すると相乗効果が認められた。3.細胞内寄生菌サルモネラに関しては、マウス腹腔マクロファージの貪食作用に対するカテキンの効果を検討した。サルモネラをカテキンで処理したり、またマクロファージをカテキンで前処理するとマクロファージの食菌能は変化しないが、細胞内殺菌能が高まった。ヒト単球細胞株ではカテキンで前処理を受けると食菌能のみが亢進したが、さらにIFN-γで刺激すると殺菌能も増強した。カテキン投与マウスのマクロファージは食菌能と殺菌能がともに亢進した。 4.HIVに関しては、HIVの生活環の各段階におけるカテキンの効果を検討した。HIVの細胞への吸着後から宿主細胞遺伝子への挿入までの過程でカテキンの阻害作用が認められ、逆転写酵素阻害が示唆された。また、持続感染細胞からのHIV粒子の産生の過程でもカテキンによる抑制が認められ、リポソームに包理したカテキンやLPSを使用すると抑制効果は増加した。しかし、このカテキンの効果は単球細胞系に特異的であり、リンパ球では認められなかった。
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