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2000 年度 実績報告書

Cell-freeウイルスを用いたHTLV-Iの感染機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 11470075
研究機関群馬大学

研究代表者

星野 洪郎  群馬大学, 医学部, 教授 (00107434)

研究分担者 原口 裕次  群馬大学, 医学部, 助手 (80272251)
田中 淳  群馬大学, 医学部, 助手 (20321953)
キーワードHTLV-I / 好中球増多症 / 脾腫 / BLV / 滑膜細胞 / 突症性サイトカイン
研究概要

HTLV-Iを感染させたヒト骨肉腫由来のHOSおよびS+L-HOS細胞、またHTLV-IのTax導入したHOSおよびS+L-HOS細胞をヌードマウスに移植した。HOS細胞は、ヌードマウスに腫瘍を作らなかった。S+L-HOS細胞を小さな腫瘍を作った。HTLV-I感染S+L-HOS細胞およびTax導入したS+L-HOS細胞は、大きな腫瘍を作った。HTLV-IのTax遺伝子はS+L-HOS骨肉腫細胞にヌードマウスでの造腫瘍を賦与した。
腫瘍を形成したマウスでは、好中球増多症がみられ、また脾腫が認められた。マウスの血中のサイトカインで好中球増多症を誘導したG-CSFの濃度が著明に増加していた。また、培養細胞の上清中にもG-CSFが検出され、S+L-HOS細胞よりヒトG-CSFが産生されていると考えられた。
一方、一部の好中球増多症マウスや脾腫マウスで、マウス血中のGM-CSFの上昇が認められ、ヒト細胞より産生されたTax1がマウス細胞に作用し、マウスGM-CSFの産生が誘導されたと推察された。この系は、Taxの作用をマウスを用いて解析するのによい系であると考えられた。
ヒト滑膜細胞にcell-freeのHTLV-IおよびBLVを感染させた。BLVの感染させたヒト滑膜細胞は、1年以上に渡って培養できた。HTLV-I感染細胞は、始めの内はHTLV-Iを保持していたが、次第に培養細胞中からウイルスが見られなくなった。HTLV-IおよびBLVに感染させた滑膜細胞培養上清中にIL-1β,IL-6,TNFαなどのサイトカインが検出された。BLV感染滑膜細胞では、突症性サイトカインの産生が長期に渡って認められた。
HTLV-I感染細胞を糖鎖合成酵素の阻害剤の存在下で培養し、HTLV-Iウイルスを回収し、その性質を調べた。シアリダーゼ存在下で培養するとウイルスの感染性が高くなった。一方、ツニカマイシンの糖鎖合成阻害剤の処理では、感染が著明に抑制された。糖鎖がHTLV-Iの感染性の維持に重要であることが明かになった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Hoshino,H: "CD4-dependent and CD4-independent utilization of coreceptors by human immunodeficiency viruses type 2 and simian immunodeficiency viruses"Virology. 278. 276-288 (2000)

  • [文献書誌] Hoshino,H: "Apelin peptides block the entry of human immunodeficiency virus (HIV)."FEBS Lett.. 473. 15-18 (2000)

  • [文献書誌] Hoshino,H: "Infection of mesangial cells with HIV and SIV : Identification of GPR1 as a coreceptor."Kidney Int.. 58. 607-617 (2000)

  • [文献書誌] Hoshino,H: "A putative G protein-coupled receptor, RDC1, is a novel coreceptor for human and simian immunodeficiency viruses."J.Virol. 74. 619-626 (2000)

  • [文献書誌] Hoshino,H: "Kapid tumor formation and development of neutrophilia and splenomegaly in nude mice transplanted with human cells expressing human T cell leukemia virus type I or Tax1"Leukemia. 14. 1467-1476 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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