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2000 年度 実績報告書

ミエロイド系樹状細胞とリンパ球系樹状細胞

研究課題

研究課題/領域番号 11470085
研究機関京都大学

研究代表者

稲葉 カヨ  京都大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (00115792)

研究分担者 高原 和彦  京都大学, 大学院・生命科学研究科, 助手 (90301233)
キーワード樹状細胞 / 食作用 / アポトーシス / 抗原提示 / 腫瘍細胞 / TH1 / TH2 / 免疫制御
研究概要

樹状細胞は骨髄幹細胞に由来することが明かであり、それらはその前駆細胞からリンパ球系とミエロイド系という大きく2つの分化経路をもつと考えられている。本年は、マウス樹状細胞に加え、ヒト樹状細胞の機能にも注目し、それらの免疫応答における役割と性状を検討した。
マウス樹状細胞はそのCD8陽性の細胞はリンパ球系に由来すると考えられており、実際に脾CD8陽性樹状細胞にはCD8mRNAが検出された。ところが、FITCを塗布した表皮ランゲルハンス細胞に由来するリンパ節樹状細胞もCD8を発現することが示された。また、GM-CSF存在下で誘導される骨髄由来樹状細胞においてもCD8蛋白の発現は認められなかったものの、mRNAが検出された。しかも、LPS投与によって赤脾髄樹状細胞が急速にT領域へと移動することが知られているが、これらの細胞にもCD8の一過性の発現上昇が認められた。一方、骨髄前駆細胞をFLT-3リガンド存在下で誘導される樹状細胞にはかなりに比率でCD8の発現が検出されるが、同時にGM-CSFを添加するとCD8の発現は消失した。これらの結果は、CD8の発現が必ずしも細胞分化の由来を示すものでないことを示唆していると考えられる。
一方、ヒト末梢血樹状細胞はCD11cの発現によりそのサブセットが判定され、CD11c陰性の樹状細胞はTh2をCD11c陽性の樹状細胞はTh1を誘導することが明らかにされいる。また、前者はウイする感染に際し、多量のI型IFNを産生することが示されているが、本研究によりI型IFNは自らの成熟を抑制し、T細胞にIL-10の産生を誘導することに加え、CD11c陽性樹状細胞のCD40LやIFN-γによるT細胞応答のTh1への変更を阻害し、IFN-γだけでなく同時にIL-10をも産生する制御性T細胞への分化を促進することが明らかになった。

  • 研究成果

    (10件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (10件)

  • [文献書誌] Henmi,H.: "Skin antigens in steady state are trafficked to regional lymph nodes by transforming growth factor-β1-dependent cells."Int.Immunol.. (in press). (2001)

  • [文献書誌] Ito,T.: "Regulation of myeloid and lymphoid dendritic cell functions by interferons and relevant cytokines"J.Immunol.. (in press). (2001)

  • [文献書誌] Komuro,H.: "Lack of BMP-1 Gene Mutations in Patient with Gastroschisis"J.Pediatric Surgery. (in press). (2001)

  • [文献書誌] Khalil,M.: "T Cell Studies in a Peptide-Induced Model of Systemic Lupus Erythematosus."J.Immunol.. 166(3). 1667-1674 (2001)

  • [文献書誌] Bot,A.: "Dendritic cell at a DNA vaccination site express an encoded influenza nucleoprotein and prime CD8^+ cytolytic lymphocytes upon adoptive transfer."Int.Immunol.. 12. 825-832 (2000)

  • [文献書誌] Amano,S.: "Bone morphogenetic protein 1 (BMP-1) is an extracellular processing enzyme of the laminin 5γ2 chain."J.Biol.Chem.. 275. 22728-22735 (2000)

  • [文献書誌] Turley,S.: "Transport of peptide-MHC class II complexes in developing dendritic cells"Science. 288. 522-526 (2000)

  • [文献書誌] Inaba,K.: "The formation of immunogenic MHC class II-peptide ligands in lysosomal compartments of dendritic cells is regulated by inflammatory stimuli."J.Exp.Med.. 191. 927-936 (2000)

  • [文献書誌] Steinman,R.M.: "Can the capture of apoptotic cells by dendritic cells lead to tolerance?"J.Exp.Med.. 191(2). 414-416 (2000)

  • [文献書誌] Sugihara,A: "Differentiation from thymic B cell rpofenitors to mature B cells in vitro."Immunobiology. 201(5). 505-527 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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