研究課題/領域番号 |
11470093
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
仲井 邦彦 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (00291336)
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研究分担者 |
亀尾 聡美 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (40312558)
永沼 章 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (80155952)
佐藤 洋 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40125571)
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キーワード | 一酸化窒素 / s-ニトロソ化 / 金属結合蛋白質 / 金属代謝 / ノックアウトマウス / メタロチオネイン / メチル水銀 / エンドトキシン |
研究概要 |
一酸化窒素(NO)が脳内微量金属元素代謝に及ぼす影響を明らかにする目的で、以下の実験を実施した。 ラットを用いたエンドトキシンショックの予備実験では、エンドトキシン100ug/kg腹腔投与で十分な海馬NO_x産生が確認されていたが、行動解析などを意図してマウスにて同様な実験を実施した。C57BL/6Crマウスに脳海馬領域マイクロダイアリシスを実施、エンドトキシン量として1mg/kgまで腹腔に投与、経時的に灌流液を回収しNO_xおよび金属を分析した。海馬領域のNO_xの産生はマウスでは1mg/kgで顕著に増加し、量-反応関係が認められた。さらに、海馬灌流液中の亜鉛および銅はエンドトキシン処理により3-5倍に増加し、NO_x産生中は持続する傾向が観察された。従って、NOは脳の微量金属元素代謝に大きな影響を及ぼすことが示された。同様な実験を、NO産生刺激としてメチル水銀を用いた曝露実験として予備実験として進めている。 in vitroでの培養細胞を用いた実験系にて、各種NOドナー処理による金属元素の動態と蛋白質s-ニトロソ化の分析を開始しているが、分析感度の改善が必要と判明し、HPLC分析上の感度の改善、培養細胞数の増量または細胞株の変更などを試行錯誤した。 ノックアウトマウスの繁殖を実施し、予備実験としてメチル水銀曝露の際の行動変容など基礎的な資料の収集を行った。一般的に129/Sv系マウスは行動解析に向かないとされるが、水迷路試験でもC57BL系に比べ遜色ない成績を示し、特にオープンフィールド試験など情動ストレス、探索行動に対しメチル水銀は大きな作用を有することが示唆され、行動解析が十分可能であることが示された。
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