研究課題/領域番号 |
11470094
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
中村 裕之 金沢大学, 医学部, 助教授 (30231476)
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研究分担者 |
中島 円 金沢大学, 医学部, 助手 (10324071)
荻野 景規 金沢大学, 医学部, 教授 (70204104)
長瀬 博文 金沢大学, 医学部, 講師 (00251918)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | エンドセリン / 熱 / プロスタグランディン / マイクロ波 / CRH / 子宮胎盤血流 / β-エンドルフィン / 妊娠 |
研究概要 |
胎盤CRH-オピオイド系は、成体の視床下部-下垂体のそれと同じように存在するが、その生理的役割は不明である。熱ストレスの胎盤循環動態への影響とその生理的機序を調べる実験では、熱ストレスに際して、妊娠ラットの胎盤血流量の減少が認められたが、CRH受容体拮抗剤であるα-helical CRH(9-41)の前投与によっては、血流量の低下は起こらないことがわかった。また、cyclooxygenase拮抗剤であるindomethacinの前投与によっても、血流量の低下を抑制できた。次にendothelin-1受容体拮抗剤のbosentanあるいは、cyclooxygenase拮抗剤のindomethacin投与による子宮胎盤血流量と胎盤prostaglandinとして、PGE_2とPGF_<2α>系への影響を調べた。bosentanとindomethacin前投与は子宮胎盤血流量の減少をreverseすることが認められた。熱ストレスは妊娠ラットの胎盤PGF_<2α>系の代謝を亢進させ、indomethacin投与は、PGE_2系の代謝を抑制させた。同時に、前投与と熱ストレスの交互作用が認められ、熱ストレスによって亢進した胎盤PGF_<2α>系は、bosentanとindomethacinの前投与によってreverseされることが認められた。以上の結果より、熱ストレスに際しては、胎盤CRH受容体が活性化され、その結果、胎盤血流量の減少が生じるが、その際には、胎盤PGF_<2α>が関与していると推測された。熱ストレスによる胎盤循環障害には、胎盤オピオイド系の関与は否定的であった。熱ストレス時には、胎盤PGF_<2α>系が、胎盤endothelin-1とCRHと協調して子宮胎盤循環障害を引き起こすと推測される。
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