研究課題/領域番号 |
11470095
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
那須 民江 信州大学, 医学部, 講師 (10020794)
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研究分担者 |
中山 淳 信州大学, 医学部, 講師 (10221459)
福嶋 義光 信州大学, 医学部, 教授 (70273084)
青山 俊文 信州大学, 医学部, 教授 (50231105)
佐々木 一敏 長野県衛生公害研究所, 主任研究員
大村 実 九州大学, 医学部, 助手 (50243936)
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キーワード | ジエチルヘキシルフタル酸 / 生殖毒性 / 2世代生殖毒性実験 / テストステロン / PPARα / ノックアウトマウス / ペルオキシゾーム酵素 / 繁殖率 |
研究概要 |
代表的なフタル酸エステルであるDiethylhexylphthalate(DEHP)の2世代生殖毒性を行った。DEHPを0.05%含有した餌を調整し、野生型とper oxisome proliferator-activated receptor(PPAR)αノックアウトマウスに1ヶ月自由摂食させた(F0)。まずF0を交配し、成熟したF1も交配し、F0、F1、の繁殖力およびF0、F1、F2のマウスの生殖器毒性を評価した。その結果、以下の結論を得た。 1)血中ホルモンへの影響:雄のPPARノックアウトマウスの血中テストステロン濃度は野生型の約1/10であった。DEHPはこのホルモン濃度に影響を与えなかった。2)DEHPはF1の野生型の繁殖力を著しく低下させたが、PPARαノックアウトマウスの繁殖力には殆ど影響を与えなかった。即ち、野生型の対照群では、仔の生存率は97%であるが、DEHP処理群においては53%まで低下した。一方、PPARノックアウトマウスの仔の生存率は対照群で約85%であり、この生存率はDEHP投与の影響を受けなかった。3)DEHP投与は性比にも影響を与えた。即ち、野生型の対照群においては雄:雌=1:0.82であったが、DEHP投与群においては1:1.78であった。これは雄の仔マウスが多数死亡したことに起因することが判明した。PPARノックアウトマウスにおいても、性比は、対照群が雄:雌=1:0.92から1:1.38と若干変動した。4)野生型のDEHP群においてはPPARαのtarget geneであるペルオキシゾーム酵素遺伝子産物の発現が誘導されていた。5)すべてのマウスの生殖器(卵巣、子宮、精巣)について、病理学的検討を行ったが、異常は認められなかった。また、各生殖器の臓器重量にも対照群との間に差を認めなかった。このように、0.05%のDEHPは繁殖力に影響を与えることが判明した。この現象はPPARα欠損マウスではみられないことから、この受容体依存性であることが判明した。
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