研究課題/領域番号 |
11470095
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 名古屋大学 (2001) 信州大学 (1999-2000) |
研究代表者 |
那須 民江 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10020794)
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研究分担者 |
中山 淳 信州大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (10221459)
福嶋 義光 信州大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70273084)
青山 俊文 信州大学, 医学部, 教授 (50231105)
佐々木 一敏 長野県衛生公害研究所, 主任研究員
大村 実 九州大学, 大学院・医学研究科, 助手 (50243936)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | フタル酸ジューエチルヘキシン / 生殖毒性 / PPARα / テストステロン / 陰膳 / 2,4-dichlorophenoxyacetic acid / 内分泌撹乱作用 / 1日の摂取量 |
研究概要 |
フタル酸エステル類は代表的なプラスチック可塑剤で、内分泌撹乱剤の可能性が指摘されている。しかしその信憑性・機構の解明はなされていない。この物質はPeroxisome proliferator activated receptor(PPAR)αの強力なリガンドである。野生型およびPPARαノックアウトマウス(Sv/129)を用いて代表的フタル酸エステルであるdiethylhexylphthalate(DEHP)の繁殖への影響およびその機構について検討した。その結果、以下の結論が得られた。1)DEHPはPPARα依存的に胎仔の吸収と新生仔の死亡率を増大させ、繁殖を低下させた。2)DEHPは雄マウスの血清テストステロンレベルを低下させた。3)DEHP以外のフタル酸エステル類もPPARαを誘導し、誘導の強さは脂溶性に準じていた。4)農薬の1種である2,4-dichlorophenoxyacetic acid(2,4-D)もDEHPと同様にPPARαを誘導し、テストステロン濃度を低下させた。このテストステロン濃度の低下の機構の一つとして、ライディッヒ細胞のコレステロール合成に関わる酵素の発現抑制が考えられた。DEHP以外のフタル酸エステル類、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸もPPARαを誘導し、血清テストステロン濃度を低下させた。この機構の一つとしてコレステロール代謝酵素の発現抑制が考えられた。 16名の陰膳(食事および嗜好品等)試料についてDEHPの濃度を測定し、1日当たりの摂取量の推定を行なった。DEHPは全試料から検出され、濃度レベルは30〜370μg/kg、平均で124μg/kgであった。食事等の1日の摂取量と濃度から、フタル酸エステル類の1日の摂取量を計算すると、DEHPは70〜1200μg/日(1日平均320μg)となった。
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