研究課題/領域番号 |
11470104
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研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
鏡森 定信 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (20019615)
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研究分担者 |
中川 秀昭 金沢医科大学, 医学部, 教授 (00097437)
成瀬 優知 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (30135008)
関根 道和 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (30303225)
土井 由利子 国立公衆衛生院, 疫学部, 主任研究官 (70280758)
石崎 昌夫 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (10184516)
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キーワード | 職域ストレス / WHOの生活の質 / 深夜勤務 / 睡眠 / 脳波 / 自律神経活動 / 睡眠時無呼吸 |
研究概要 |
目的:研究最終年度として、長寿情報時代の勤労者の心理社会的ストレスの睡眠・生活の質に対する影響の解明に加えて、公衆衛生学の立場からの予防医学的対応に関する根拠を得るべく総括的な研究を行った。 方法: 1.職域集団における心理社会的ストレスと睡眠・生活の質に関する研究(疫学研究)地方公務員2200人を対象に春の健診時に、カラセックモデルによる職場の心理社会的ストレス、ピッツバーグ睡眠スコア、WHOのQOLおよび生活状況などに関する調査を行った。 2.睡眠中の自律神経系・循環器系のゆらぎに関する実験室における観察的研究(実験室研究) 人工気象室において3交替夜勤明け勤務者の睡眠前後の心理・生理学的検査を行った。脳波、呼吸、自律神経・循環器系については継続時にモニタリングして検討した。 結果: 1.職域集団の疫学研究では、カラセックモデルのデマンド(仕事上の要求度)が少いと睡眠の質が良かった。またWHOの生活の質のスコアが高い程睡眠の質は良かった。このWHOの生活の質のうち、心理面の健康度の増進につながると考えられるのは、読書、旅行、談笑、カラオケ、ボランティアなどの余暇活動であり、パチンコはこれに該当しなかった。なお、個人の要因としてはタイプA行動が強くなると心理面の健康度は低下した。 2.睡眠中のモニタリングによる実験的研究では、日中の睡眠では、Slow waveをともなう睡眠サイクルは2〜3回であり、夜の半分程度しか継続した睡眠がとれなかった。しかしながら、睡眠中は心拍変動がみられた心臓自律神経活動も副交感神経優位となり、血圧も降下し、また特に無呼吸が多くなることもなく、これらの生理学的指標では通常の夜間睡眠と同様な所見であった。
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