アルツハイマーについては発症のリスクを上げる感受性遺伝子と呼ばれる遺伝子は数多く報告されるようになった。本研究はこれらの感受性遺伝子について既存の研究に例のない日本人の多数の症例を用いて十分な検討を加えることを第一の目的とする。 症例は500症例の収集を終了した。生活習慣および危険因子の調査は喫煙、飲酒、趣味、昼寝の習慣などの生活習慣に頭部外傷の既往、配偶者の生死、全身麻酔の既往、消炎鎮痛剤の服用などの危険因子を加えた17項目からなる危険因子調査票を作成し、再度、信頼性の検討を行った。その結果質問票の十分な信頼性が証明された。遺伝子解析はすべての症例でインフォームドコンセントを得現在解析中である。すでにAPOE遺伝子についてはすでに解析を終了した。その結果、従来どおりAPOEのε4はアルツハイマーの危険因子であることが本対象についても明らかになった。VLDL受容体遺伝子多型は現在進行中である。対照については症例の配偶者を第1対照群として収集している。また、第2対照群については年齢と性をマッチさせた地域住民の非地方高齢者を当てる予定であるが、現在、被験者への説明文や同意書について検討中である。
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