研究概要 |
昨年度、身長、体重、喫煙飲酒習慣、既往歴、家族歴、月経・出産歴、運動習慣、職歴などの基本的な項目に加え、詳細な食習慣を含めた調査票を完成させた。その調査票を用い、岐阜県内某病院における人間ドック受診者の中、内分泌疾患既往およびホルモン補充療法中の者を除く180人から情報を収集した。原則として自記式の調査票を用いるが、一部直接面接の形をとっている。また、早朝空腹時に静脈血の採取を行った。 本年度は特に、閉経後女性87人につき、大豆製品摂取量ならびに血清エストロゲン値と骨密度ならびに血清アルカリフォスファターゼ(ALP)との関連性に焦点を当てて解析した。血清中のエストラジオール(E2)と性ホルモン結合グロブリン(SHBG)はラジオイムノアッセイで、骨密度は踵骨におけるX線吸光度法測定した。 E2対SHBGの比は骨密度との間に有意な正相関(r=0.38,p=0.0003)を認めたが、大豆製品摂取量と骨密度との間には相関を認めなかった(r=-0.04,p=0.77)(いずれも、年齢、肥満度=body mass index、喫煙歴、植物性脂肪・ビタミンC・食塩摂取量で補正)。大豆製品摂取量とALPとの間には負の相関(r=-0.34,p=0.02)が認められ、イソフラボン摂取量とALPとの間にも同様に負の相関(r=-0.42,p=0.004)が認められた(いずれも年齢と初潮年齢で補正)。E2とE2/SHBG比はともにALPとの関連性を示さなかった。
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