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2000 年度 実績報告書

内分泌撹乱化学物質とライフスタイルに関する基礎的・予防医学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 11470108
研究機関香川医科大学

研究代表者

實成 文彦  香川医科大学, 医学部, 教授 (60127561)

研究分担者 浅川 冨美雪  倉敷芸術科学大学, 教養学部, 教授 (20159362)
徳田 雅明  香川医科大学, 医学部, 教授 (10163974)
竹中 生昌  香川医科大学, 医学部, 教授 (40032180)
須那 滋  香川医科大学, 医学部, 助手 (40253265)
伊藤 正裕  香川医科大学, 医学部, 助教授 (00232471)
キーワードDEHP / エチルアルコール / カフェイン / ナイアシン / ビタミンC / ビタミンE / 初期像 / 回復
研究概要

平成12年度は、DEHP、エチルアルコール、カフェイン、ビタミン等の複合曝露実験を中心に検討した。
(エチルアルコール、カフェイン、ナイアシンの複合曝露実験)
前年度に確立したDEHP精巣毒性検出系において、DEHP混合飼料投与により、4週齢と5週齢SDラットの精巣毒性を比較したところ、4週齢ラットは5週齢に比べ著しく感受性が高く、1%DEHP配合飼料1週間投与で明らかな精巣萎縮が発生した。そこで、この実験系を用いDEHPとエチルアルコール、カフェイン、ナイアシンの複合曝露実験を行った。その結果エチルアルコール、カフェイン、ナイアシンいずれも精巣萎縮を抑制する傾向が認められた。精巣毒性発現の原因物質とされるMEHPの体内動態や微量元素のレベルについて現在検討中である。
(アスコルビン酸複合曝露実験)
DEHPの投与による精巣障害は,7週齡以降ではほとんど起こらなかった。またSDラットとWistarラットの比較ではWistarラットにおいて障害が顕著であった。DEHP2g/kg単回投与実験でapoptosisを解析したところ,1日後にすでに多くの細胞がapoptosisに陥り2日目ではすでに減少していた。
DEHPを投与したラットの精巣内グルタチオン(GSH)とアスコルビン酸(AA)の濃度はコントロール群に比べて有意に減少していた。DEHP投与群の精巣ではglutathione peroxidaseおよびcatalase活性が有意に上昇していた。一方、DEHPとAAの同時投与により、精巣のAA濃度が正常に保たれたラットでは、精巣の萎縮は改善された。これらの所見より、DEHPは生体内で酸化ストレスを増強して精巣を萎縮させている可能性が示唆された。
(ビタミンE・C複合曝露実験)
初期像CD1マウスに2%フタル酸含有食餌を与えたところ、5日後より精上皮の配列に乱れが生じ、15日後にはセルトリ細胞と僅かに残る精祖細胞のみからなる精細管を呈した。15日でフタル酸含有食餌を中止しすると、精上皮の回復に40日間を要したが、ビタミンE(1.5mg/ml)とビタミンC(3mg/ml)の合剤を飲料水に混入させて与えると、中止後30日で既に回復することがわかった。これはフタル酸によって精巣障害は可逆的であり、また上記ビタミンに回復促進作用があることを示している。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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