20代男子8名に、連続2日間を1クールとして、1週間以上の間をおいて計2クールの実験を実施させた。1クールの内容は以下の通りである。 (1)受光量・体動モニター計(Mini-Mitter社製Actiwatch-L)と心拍RR間隔モニター計(Mini-Mitter社製ML-2000)を2日間連続装着する。 (2)1日目、2日目の就寝、起床時刻を一致させて、就寝前3〜4時間の時間帯を自宅で過ごし、その時間帯において1日目と2日目の照度を可能な限り違わせる。この暗/明の2条件の順序を、1クール目と2クール目で入れ替える。 (3)それぞれの日で、就寝前3〜4時間、および就寝中の全尿を収集する。 以上により、睡眠習慣を変えないで夜間の光環境を変えた実験条件を通常の生活環境の中に作りだし、夜間に分泌されるホルモン(メラトニン、コルチゾールなど)の総分泌量に差が生じるかを観察できるようにした。また心拍変動の観察によって自律神経系活動も同時にモニターできるように考慮した。 ホルモンおよび心拍変動の解析は、現在も継続中である。就寝前3〜4時間の平均受光量は、Actiwatch-Lによって胸部中央で計測した値では、明条件で150〜200Lux、暗条件で2〜5Luxであった。
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