研究課題/領域番号 |
11470117
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研究機関 | 大阪府立公衆衛生研究所 |
研究代表者 |
奥野 良信 大阪府立公衆衛生研究所, 公衆衛生部, 課長 (30112064)
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研究分担者 |
伊藤 正恵 大阪府立公衆衛生研究所, 公衆衛生部, 主任研究員 (10201328)
加瀬 哲男 大阪府立公衆衛生研究所, 公衆衛生部, 主任研究員 (10175276)
中川 直子 大阪府立公衆衛生研究所, 公衆衛生部, 主任研究員 (10280835)
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キーワード | インフルエンザ / DNAワクチン / ヘマグルチニン / 中和エピトープ |
研究概要 |
1。トリインフルエンザウイルスに対するマウスモノクロナール抗体、C179の生物活性 A型インフルエンザウイルスのヘマグルチニン蛋白(HA)には15種類(H1〜H15)の亜型が存在し、現在はH1(Aソ連型)とH3(A香港型)が流行している。H1が出現してからすでに20年以上経過しており、いつ新型が出現してもおかしくない時期にきている。次の新型インフルエンザはトリ型のH2、H5、H9によって起こる可能性が高く、その対策が急務となっている。H2のウイルスをマウスに免疫して得られたモノクロナール抗体、C179はH1とH2のすべてのウイルスを中和することを明らかにしてきた。今年度の研究では、15種類の亜型に対するC179の反応性を調べた。C179は、調べたすべてのH1、H2、H5、H9のウイルスを中和した。さらにマウスを用いた感染実験で、感染系の確立していないH9を除いて、C179はH1、H2、H5に感染したマウスは肺内での増殖を抑制した。 2。HA遺伝子を用いたインフルエンザDNAワクチンの有用性の検討 HAは、構造的に頭部と幹部に区別できるキノコ状の形をしている。これまでの研究で、幹部には共通中和エピトープが存在することを証明してきた。今年度は、HAの全領域をコードするcDNAとともに幹部だけをコードするcDNAを構築し、これをベクターに挿入し、DNAワクチンとしてマウスにgene gunを用いて接種した。接種してから4週間後に採血し、HAに対する抗体価を測定したが、抗体の存在を証明することはできなかった。また、マウスに致死的なウイルスでチャレンジしたが、DNAワクチンによる抗致死作用は認められなかった。今後は、ベクターの種類や免疫方法をを変えて、DNAワクチンの有効性を検討したい。
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