研究課題/領域番号 |
11470127
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
立元 一彦 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (60240694)
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研究分担者 |
小林 功 群馬大学, 医学部, 教授 (50008273)
高山 清茂 群馬大学, 医学部, 教授 (90134270)
清水 弘行 群馬大学, 医学部, 講師 (20251100)
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キーワード | アペリン / APJ / オーファン受容体 / ラジオイムノアッセイ / コレシストキニン / NO合成阻害剤 / 消化管ホルモン / 胃粘膜細胞 |
研究概要 |
本研究では、アペリンの組織における局在をラジオイムノアッセイ法、免疫組織化学的手法などを用いて検討し、また、アペリンの生理作用について研究した。まず、アペリンに対するラジオイムノアッセイ(RIA)を確立しウシ各種組織におけるアペリンの含有量を測定した。そして、アペリンが肝臓、脾臓、膵臓、乳腺、肺、腎臓、脳、脊髄、胃、腸、心臓などの広範囲な組織に分布していることを明らかにした。また、アペリンの分子形態を測定し、肺、腎臓、腸、脳ではアペリン17、脾臓においてはアペリン36、肝臓ではアペリン13およびアペリン17に相当する分子を主成分として検出した。免疫組織化学的研究では、ラット膵臓、肝臓、脾臓、肺、心臓、胃腸、腸間膜などで動脈内皮などを中心にアペリンの免疫染色を検出し、アペリンが胃粘膜細胞および脂肪細胞にも局在していることを見いだした。生理作用に関する研究では、アペリンが強力な血圧降下作用を有することを見いだし、アペリン12が最も高い活性を示すことを明らかにした。また、肥満ラットに対するアペリンの血圧降下作用を検討し、肥満ラットに対するアペリンの効果が、正常ラットのそれよりも弱いことを見いだした。さらに、NO合成阻害剤であるL-NAMEの存在化でアペリンの血圧降下作用がほぼ完全に阻害されることを見だした。そこで、アペリンはNO合成を促進し、NOを介して血圧降下作用を現す可能性を示唆した。また、我々はアペリンーが腸内分泌細胞からコレシストキニン(CCK)を極めて低濃度で遊離することを見いだした。アペリンは高濃度でミルク中にも存在することから、アペリンがミルクのなかの外因性CCK遊離因子として新生児の消化機能を補助する役割を担うことを示唆した。
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