研究課題/領域番号 |
11470129
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
早川 哲夫 名古屋大学, 医学部, 教授 (80022838)
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研究分担者 |
石黒 洋 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 助手 (90303651)
北川 元二 名古屋大学, 医学部, 助手 (80262898)
成瀬 達 名古屋大学, 医学部, 助教授 (50180550)
古家 園子 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (20096952)
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キーワード | 単離小葉間膵管 / 膵導管細胞 / マイクロパーフュジョン / 細胞内pH測定 / HCO_3^-透過性 / Na^+-HCO_3^-共輸送体 / Cl^- / HCO_3^-交換輸送体 / HCO_3^-分泌 |
研究概要 |
モルモットの膵臓から単離した小葉間膵管(直径約100μm)の管腔内を表層とは別個に潅流. (マイクロパーフュジョン)し、顕微蛍光測光により細胞内pHを測定することによって、膵導管細胞におけるH^+およびHCO_3^-輸送担体の局在、基底膜および管腔膜のHCO_3^-透過性、さらにセクレチン刺激による調節機構を検討した。Na^+-HCO_3^-共輸送体とNa^+/H^+交換輸送体は、ともに基底膜に存在し、血管側から細胞内へのHCO_3^-の輸送あるいは蓄積を担っていると考えられた。Cl^-/HCO_3^-交換輸送体は、基底膜と管腔膜の両方に存在するが基底膜により活性が強く、HCO_3^-分泌における役割は大きくないと考えられた。CO_2の透過性については、基底膜と管腔膜で同程度であった。基底膜側からHCO_3^-を加えると非常に良く細胞内に取り込まれ、そのほとんどはNa^+-HCO_3^-共輸送体を介していた。一方、管腔膜側からHCO_3^-を加えても細胞内にはほとんど取り込まれなかった。この管腔膜の性質が、膵管腔内のHCO_3^-を高濃度に保っていると考えられる。そのメカニズムとしては、管腔内のHCO_3^-がCl^-/HCO_3^-交換輸送体を抑制したと考えられるが、それ以外に管腔膜の膜電位が-60mV程度に保たれていることが必要である。これについてはさらに研究を続ける必要がある。
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