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2000 年度 実績報告書

肺気腫の成因・病態に関する分子遺伝学的研究-早期診断・治療への展開をめざして-

研究課題

研究課題/領域番号 11470142
研究機関順天堂大学

研究代表者

福地 義之助  順天堂大学, 医学部, 教授 (80010156)

研究分担者 瀬戸口 靖弘  順天堂大学, 医学部, 講師 (90206649)
高橋 和久  順天堂大学, 医学部, 講師 (80245711)
瀬山 邦明  順天堂大学, 医学部, 講師 (10226681)
キーワード慢性閉塞性肺疾患 / 肺気腫 / 換気力学 / FHR / 喫煙曝露 / 細胞外マトリックス
研究概要

肺の先天的発達・成長障害により肺高血圧や末梢気腔拡大を自然発症するモデル動物であるFawn-Hooded Rat(FHR)に喫煙負荷を行うことにより、比較的短期間で肺気腫を発生させうることが期待される。平成12年度は喫煙曝露装置を用いてFHRとWister Kyoto Rat(WKR)を喫煙させ、その前後で肺の圧量曲線、弾性収縮力の測定、気道に気流が流れているdynamicな状態での弾性抵抗・粘性抵抗・慣性抵抗などの換気力学的特性を評価した。喫煙負荷前評価は4週齢のFHR(n=7、体重46.4±7.5g)と対照としてWKR(n=5、体重75.0±9.4g)を麻酔下に気切し、Flexiventに接続しインピーダンスを測定した。その結果、気道抵抗Rは肺気量の増加に伴い低下したが、両群で有意差は認めなかった。組織レジスタンスGtisはFHR群が低肺気量位で有意に低値を、高肺気量位で有意に高値を示した。組織エラスタンスHtisもFHR群が低肺気量位で有意に低値を、高肺気量位で有意に高値を示した。Staticな肺機能の測定では、TLCがFHRは2.60±0.39mlとWKYの1.97±0.22mlに比べて有意に高値、K値も同様にFHRで0.22±0.02とWKYの0.12±0.01に比べ有意に増加し、P-Vカーブの左上方へのシフトを認めた。現在、両群肺組織の細胞外基質成分(コラーゲンとエラスチン)を分析中である。次に、両群にタバコ煙を吸入させ肺気腫を発生させ、気管支肺胞洗浄による末梢気腔内細胞動態の検討、Flexiventによる換気力学的特性の評価、細胞外基質量変化を検討しているする段階である。現在喫煙曝露開始後約12週が経過するところであり、喫煙曝露16-20週で前述の指標を測定・評価する予定である。一方、末梢肺気腔におけるprotease-antiprotease balanceに対する喫煙やレチノイドの効果を検討する目的で、マクロファージ系細胞株であるU937やTHP-1をニコチンや喫煙抽出物質により刺激してMNPの発現が誘導されるかどうか、また、それに対するレチノイドの作用を検討した。その結果、ニコチン刺激ではMMP産生に有意な変化は認めなかったが、喫煙抽出物質刺激ではMMP産生亢進が認められた。U937やTHP-1においてはRAR-αおよびRAR-γを介してRAの作用は発揮されているが、RAR-βの役割は少ないと考えられた。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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