研究課題/領域番号 |
11470146
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
納 光弘 鹿児島大学, 医学部, 教授 (10041435)
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研究分担者 |
宇宿 功市郎 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (30281223)
中川 正法 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 講師 (50198040)
有村 公良 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (20159510)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | HAM発症 / 宿主要因の解析 / ウイルス側の要因を解析 / ROC曲線 / 候補遺伝子解析 / Taxサブタイプ / 非HLA要因の解析 / 重回帰分析 |
研究概要 |
HAM発症に関わる要因を宿主要因の解析を行う研究ならびウイルス側の要因を解析する研究から行い、加えてHAM脊髄炎症組織への浸潤を規定する因子は何かという点からの解析で行った。 宿主要因では、HAM発症にHLA-A^*02、Cw^*08、HLA-DRB1^*0101、B^*5401が明らかとなり、前2者は発症抑制に、後2者は発症促進に作用していることを解明した。更に、HAMとキャリアを区別できる可能性のあるHTLV-1ウイルス量について解決するために、0.5%ごとにHAM発症数、HTLV-Iキャリア数を算出し、ROC曲線を描画後に、cut off値を算出した。ROC曲線からは、HTLV-Iウイルス量2%で、感度80%以上、特異度80%以上でHAM群とキャリア群を区別できることが明らかとなった。また、HAM発症の予測が可能かを解析し、要因の有無をダミー変数に置き換え、重回帰分析を行い、今回の集団の80%において、HAMもしくはキャリアの予想が可能であった。 また、非HLA要因の解析では、候補遺伝子解析を今回のコホートで行い、TNF-α(-863A)多型がHAM発症の危険率を上げ、SDF-1-801A 3'UTR危険率を下げること、IL-15 191Cは、HTLV-1ウイルス量の低下している群に多いことを示した。この解析でも、HLAのみの解析と同様に、重回帰分析による発症予測についての解析を加え、HAM発症に関し88%の症例で予測可能となった。 次にウイルス側の要因としてTaxサブタイプの存在を明らかにした。このsubtype Aはカリブ海沿岸のHTLV-1感染者に見られるタイプであり、キャリアからHAM発症が日本に比し高いカリブ海沿岸地域の発症要因解明に多大の影響を与えうるものであると考えている。 HTLV-I感染細胞が脊髄に浸潤する機構の研究からは、リンパ球の組織回帰に関連する分子であるCD44が、慢性進行性の神経炎症組織での特徴的splice variant (v6/v1O)として存在することを明らかにした。
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