研究課題/領域番号 |
11470152
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
砂田 芳秀 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00240713)
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研究分担者 |
松村 喜一郎 帝京大学, 医学部, 助教授 (50260922)
大沢 裕 川崎医科大学, 医学部, 講師 (80246511)
村上 龍文 川崎医科大学, 医学部, 講師
荒田 悟 昭和大学, 薬学部, 講師 (20159502)
大井 浩明 昭和大学, 薬学部, 講師 (60194065)
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キーワード | 筋ジストロフィー / シグナル伝達 / トランスジェニックマウス / モデル動物 / カベオリン / nNOS |
研究概要 |
caveolinは細胞膜の特殊陥入部caveolaを構成する膜蛋白であり、種々のsignaling分子と結合し、シグナル伝達を調節する。1998年、caveolin-3遺伝子異常による常染色体優性肢帯型筋ジストロフィー(LGMD1C)の家系が報告された。われわれは筋ジストロフィーの発症におけるシグナル伝達系の役割を解明する目的で、ヒトcaveolin-3遺伝子L104Pミスセンス変異を導入したトランスジェニックマウスを作製した。トランスジェニックマウスは出生後、体重増加が不良であり、全般的な骨格筋の萎縮傾向がみられた。変異caveolin-3mRNAの過剰発現がありながらcaveolin-3タンパク発現は欠損しており、これは変異がdominant negative効果を持つためと考えたられた。 caveolin-3は種々のシグナル伝達分子と結合しその活性を制御していることが知られている。そこで、本年度はcaveolin-3結合性シグナル伝達分子であるnNOSの活性について組織化学的方法であるNDP染色を用いて検討した。トランスジェニックマウス骨格筋においては正常マウスと同等にnNOSタンパクは発現しているにもかかわらず、nNOS活性は有意に上昇していることがわかった。この結果は筋変性にnNOS活性亢進により過剰に産生されたNOが関与することを示唆している。今後はnNOS以外のシグナル伝達分子の病態変動をDNA arrayを用いて解析する予定である。
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