研究課題/領域番号 |
11470155
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
古川 勇次 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (60005626)
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研究分担者 |
伊藤 道子 東北大学, 農学部, 教務職員 (60250734)
駒井 三千夫 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (80143022)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | LCAT / アポリポプロティンA-I / 酸化LDL / 不可逆的修飾 / 人工基質リポソーム / HDL |
研究概要 |
酸化LDL(Ox-LDL)はスカベンジャーレセプターによって取り込まれ、コレステロールの蓄積、ひいては泡沫細胞の形成へと導き、粥状動脈硬化の発生に重要な役割を演じている。LCAT活性は反応系にOx-LDLが添加されることによって阻害される。本研究では、まず、各種酸化コレステロールに対するLCAT活性を求め、つづいて、酸化コレステロールを含む基質に対するLCATの親和性について検討した。その結果、LCATは各種酸化コレステロールを基質と認識し、これをエステル化したこと、HDLあるいは人工基質リポソームに酸化コレステロールが多量に存在する時、新しく加えられた人工基質リポソーム中のコレステロールを効率良くエステル化した。次に、LCAT分子およびアポリポプロテインA-I(apoA-I)に及ぼすOx-LDLの影響を研究した。まず、LCATをOx-LDLとインキュベートしたのち、ゲルろ過クロマトグラフィー(FPLC)によりLCATを単離し、そのLCAT画分のLCAT活性を測定した。その結果、LCAT活性はLDLとインキュベートした場合と比較して低値を示した。すなわち、LCATとox-LDLとの反応後、Ox-LDLを除いてもLCAT分子自体の活性が低下していた、ということである。また、ヒト血漿とOx-LDLをインキュベートしたのち、HDL画分を単離し、さらに、これに[^<14>C]-コレステロールを取り込ませ、このHDLをCofactorのapoA-Iおよび基質として用い、精製LCATを添加して、apoA-IのCofactor活性を測定し、apoA-Iに及ぼすOx-LDLの影響につての検討した。その結果、LDLとインキュベートした場合に比べ、LCAT活性が低下していた。これらの結果から、Ox-LDLによるLCAT反応の阻害は、Ox-LDLを反応系から除外しても出現する現象であって、Ox-LDLによってLCAT分子およびapoA-I分子が不可逆的ダメージを被っていることが明らかになった。
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