研究課題/領域番号 |
11470161
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
斎藤 能彦 京都大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (30250260)
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研究分担者 |
岸本 一郎 財団法人生産開発科学研究所, 研究員 (80312221)
細田 公則 京都大学, 大学院・人間環境研究科, 助手 (40271598)
小川 佳宏 京都大学, 大学院・医学研究科, 助手 (70291424)
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キーワード | GC-Aノックアウトマウス / BNPトランスジェニックマウス / AMI / 虚血再灌流モデル |
研究概要 |
BNP過剰発現マウス(BNP-TG)に対して、急性心筋梗塞モデルを用いた研究: マウスを気管内送管し吸入麻酔下に開胸し、前下降枝を結紮し急性心筋梗塞モデルを作製した。 BNP-TGでは作製後3-5日で死亡するマウスが野生型マウスより有意に頻度が高くその死因がほとんど心破裂であることが明らかになった。現在その機序を検討中であるが、BNP-TGでは野生型と比べurokinase plasminogen activator mRNAの発現が低く、plasminogen activator inhibitor-1 mRNAの発現は亢進していた。このため線維化を伴った創傷治癒機転が遅れている可能性が破裂と関連していることが示唆された。 GC-Aノックアウトマウスを用いた研究:マウスを気管内送管し吸入麻酔下に、前下降枝を30分間閉塞しその後再疎通し虚血再灌流モデルを完成させた。再灌流6時間後、および2日後に組織を切り出し梗塞サイズ、浸潤細胞に関して検討した。GC-Aノックアウトマウスでは梗塞サイズが野生型マウスと比べ有意に梗塞サイズが減少していることが証明された。また、浸潤細胞数、MPO活性を検討するとGC-Aノックアウトマウスでは浸潤細胞数が減少し、MPO活性も減少していた。HS-142-1を投与するとGC-Aノックアウトマウスで観察された梗塞サイズの減少、浸潤細胞の減少が再現された。この結果からGC-Aノックアウトマウスでは心筋梗塞の創傷治癒機転が遅れていることが示唆された。 以上、2種類の研究からANP、BNP系は急性心筋梗塞および虚血再灌流モデルにおいて欠損していても過剰に存在しても正常な創傷治癒機転に悪影響を与えることが示唆された。
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