研究課題/領域番号 |
11470163
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森下 竜一 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (40291439)
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研究分担者 |
金田 安史 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (10177537)
檜垣 実男 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (70189744)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | 血管新生 / 遺伝子治療 / デコイ / NFKB / 再狭窄 / HGF / ASO |
研究概要 |
本研究では、難治性循環器疾患の遺伝子治療ストラテジー開発とその臨床応用を目指している。HGF遺伝子によるヒト遺伝子治療臨床研究は、2001年6月より日本で始めての循環器疾患の遺伝子治療として開始された。現在までに6人の閉塞性動脈硬化症およびビュルガー病患者にヒトHGF遺伝子を投与した。前例で、血管造影で有意な血管陰影の増強が確認される一方、全例でO.1以上のABI改善もしくは疼痛の改善においてもVASスケールで1cm以上の改善を認めている(Efficacy rate=100%)、一方で、VEGF遺伝子治療で見られた投与部位の浮腫は認められなかった。現在までの成績では、VEGF遺伝子治療より有効性が高く、安全性に優れる可能性が示されつつある。また、同様のHGF遺伝子導入による血管新生をブタ心筋梗塞モデルにおいて明らかにし、重症虚血性心疾患の遺伝子治療として「HGF遺伝子プラスミドを用いたカテーテルデリバリーを基盤とした重症虚血性心疾患の治療のための遺伝子治療臨床研究」を大阪大遺伝子治療臨床研究審査委員会へ2001年申請した。また、申請者らはおとり型核酸医薬(デコイ)を開発し、細胞周期に必須な転写因子E2Fをターゲットにしたデコイによる再狭窄予防を目的とするヒト臨床研究の許可を大阪大学倫理委員会より得て、2000年4月より実施し、既に5人の患者に投与した。国内で初めての核酸医薬を用いた臨床研究であったが、全例で再狭窄は認められず、安全性にも問題ないことが明らかになった。今後に期待のもてる結果で、更に症例を増やしている。また、「血管拡張術後及びステント後再狭窄に対するNFKBデコイによる治療」計画を申請し、2001年8月に承認を得た。
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