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2000 年度 実績報告書

ヘムオキシゲナーゼ1欠損症の発見:血管内皮傷害病態の解明と遺伝子治療の基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 11470170
研究機関金沢大学

研究代表者

小泉 晶一  金沢大学, 医学部, 教授 (50019973)

研究分担者 犀川 太  金沢大学, 医学部・附属病院, 講師 (60283107)
キーワードヘムオキシゲナーゼ1 / Heme oxygenase-1 / 血管内皮障害 / ヘミン / Hemin / 溶血性貧血 / 酸化ストレス / 慢性炎症
研究概要

1)ヘムオキシゲナーゼ1(HO-1)に対する単クローン抗体を用いた生検肝組織の免疫組織染色で患児肝にはHO-1が染色されなかった.
2)HO-1欠損患児と家族および正常対照者から末梢血単核球を分離し,B95-8培養上清を使用して,EBV芽球化細胞株(lymphoblastoid cell line,LCL)を作成した.これら,および以下の研究においては,細胞採取等はすべて患児の家族および正常対照者の同意のもとに実施した.患児末梢血細胞およびLCL細胞株を用いてウエスタンブロッティング法を実施したところ,HO-2蛋白は対照と同等に発現がみられたが,HO-1蛋白はヘミン,亜ヒ酸,カドミウムなどのストレス刺激後でも全く発現がみられなかった.以上より本例のHO-1欠損症の診断が確定した.
3)HO-1mRNAはRT-PCR法により,その発現が確認された.
4)患児および両親のHO-1遺伝子解析から,母親ではエクソン2の欠損,父親ではエクソン3に2塩基欠損があることがわかり,患児はその複合ヘテロ接合体であることが知れた.さらに母親アリルにはAlu-Alu関連遺伝子再構成に基づく,エクソン2を含む大きな染色体遺伝子の部分欠損が証明された.
5)正常HO-1遺伝子を含むレトロウイルスベクターの作成し,患児細胞株LCLへ遺伝子導入したところ,HO-1蛋白発現と機能の部分的正常化がみられた.ただしこのHO-1発現は恒常的で,生理的にみられるようなストレス誘導性発現ではなかった.

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Yachie A, et. al.: "Oxidative stresses causes enhanced endothelial cell injury in human heme oxygenase-1 deficiency."J Clin Invest. 103・1. 129-135 (1999)

  • [文献書誌] 太田和秀,谷内江昭宏,小泉晶一: "尿細管上皮細胞におけるheme oxygenase-1機能の重要性"日本小児腎臓病学会誌. 12・2. 119-126 (1999)

  • [文献書誌] 金田尚: "ヘムオキシゲナーゼ1欠損症1家系における遺伝子異常ならびに細胞傷害機構の解析."金沢大学十全医学会雑誌. 108・1. 91-102 (1999)

  • [文献書誌] 小泉晶一: "ヘムオキシゲナーゼ1欠損症発見の意義."日本医事新報. 3945. 105-105 (1999)

  • [文献書誌] 谷内江昭宏: "Heme oxygenase-1欠損症と全身性血管内皮傷害:世界第1例目の報告."医学のあゆみ. 188・13. 1129-1130 (1999)

  • [文献書誌] Ohta K,Yachie A, et. al.: "Tubular injury as a cardinal pathological feature in human heme oxygenase-1deficiency."Am J Kidney Dis. 35・5. 863-870 (2000)

  • [文献書誌] Yachie A,kawashima A,Ohta K,Saikawa Y,Koizumi S.: "Human HO-1 deficiency and cardiovascular dysfunction.In carbon monoxide and cardiovascular dysfunctions."CRC Press LLC (印刷中). 200 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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