研究課題/領域番号 |
11470171
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
古川 漸 山口大学, 医学部, 教授 (30095830)
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研究分担者 |
藤原 元紀 山口大学, 医学部・附属病院, 講師 (90284257)
市山 高志 山口大学, 医学部・附属病院, 講師 (20263767)
松原 知代 山口大学, 医学部, 助教授 (10245722)
井上 保 山口大学, 医学部・附属病院, 助手 (70294642)
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キーワード | モノサイト / マクロファージ / SIRS / nuclear factor kappa B(NF-κB) / 敗血症 / 川崎病 |
研究概要 |
敗血症や川崎病はtumor necrosis factor α(TNF-α)などの炎症性サイトカインが高値となる高サイトカイン血症によって全身的な炎症反応がひきおこされる全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome, SIRS)という概念でとらえられるようになった。その免疫応答の中心はモノサイト/マクロファージと考えられ、SIRSこおけるCD14^+CD16^+モノサイト/マクロファージサブポピュレーションおよびIL-10を産生するM2細胞の増加について報告してきた。 今年度は、TNF-αなど多くの炎症性サイトカインの転写因子であるnuclear factor kappa B(NF-κB)の発現について検討した。川崎病患児末梢血の活性化NF-κBの発現をウエスタンブロットおよびフローサイトメトリーで解析した。急性期のCD14+モノサイト/マクロファージおよびCD3+Tリンパ球における活性化NF-κBの発現は回復期に比し増加していた。CD14+モノサイト/マクロファージにおける活性化NF-κBの発現はCD3+Tリンパ球より顕著だった。ヒト免疫グロブリン療法後に活性化NF-κB発現CD14+モノサイト/マクロファージは減少したが、CD3+Tリンパ球の変動はみられなかった。急性期の活性化NF-κB発現CD14+モノサイト/マクロファージの比率は、同時に測定したCRPと相関がみられた。敗血症でも同様に、CD14+モノサイト/マクロファージ優位に活性化NF-κBの発現の増加がみられた。 以上より、SIRSの病態では、炎症性サイトカインの産生モノサイト/マクロファージはNF-κBレベルで活性化していると考えられた。
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