研究課題/領域番号 |
11470172
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
三池 輝久 熊本大学, 医学部, 教授 (90040617)
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研究分担者 |
木村 重美 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (60284767)
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キーワード | ジストロフィン / トランスジェニックマウス / 発現調節機構 / 遺伝子治療 / プロモーター / 血管平滑筋 / 血流異常 |
研究概要 |
Duchenne型筋ジストロフィー(DMD)では筋膜でジストロフィン(dy)が欠損しているが、筋壊死のメカニズム及びdyの生理作用は不明である。我々はDMDで筋壊死が起こるメカニズムにはnNOSの関与などによる血管平滑筋の機能障害に伴う異常と血液凝固系の冗進が関与していると考えるに至っている。そこで、mdxマウス(ジストロフィン欠損マウス)の血管平滑筋のみにdyを発現させたトランスジェニックマウス(Tg)作製し、血管病変に由来する筋壊死の有無を検討すればdyの生理機能についての大きな情報が得られるのではないかと考えた。平成13年度までにmdxTgの作製は終了している。本年度はそのマウスの解析を行った。 7ライン得られたTgのうち3ラインのmdxTgにおいて、定量的PCRにより心臓、小腸、大動脈、子宮など平滑筋が多い組織でdyが多い発現示し、肺など血管が多い組織でも発現を認めた。このTgはヒト平滑筋α-アクチンプロモーター(EA4.7)をプロモーターとして用いているが、このプロモーターは平滑筋と心臓で高い活性を示すことが報告されている。また、肺での血管平滑筋をdy染色をすることにより、mdxマウスではその発現を確認できず、mdxTgではその発現を確認することが出来た。いずれも、骨格筋ではdyの発現を認めていない。よって、我々は目的とした平滑筋筋特異的にdyが発現するmdxTgを得たことになる。現在、mdxとmdxTgに於いて切片を作製し壊死再生などの程度を比較検討中であるが、今のところ有意の差は認めない。今後、血流の異常やCKの比較検討する。またユトロフィン・dy欠損マウス(ut-/dy-)は症状が著明に出るため、ut-/dy-Tgマウスを作製し、そのマウスの解析も試みる。
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