研究課題/領域番号 |
11470177
|
研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
吉岡 加寿夫 近畿大学, 医学部, 教授 (60111035)
|
研究分担者 |
山本 和彦 近畿大学, 医学部, 助手 (00166787)
宮里 裕典 近畿大学, 医学部, 講師 (00271411)
|
キーワード | 間質性腎炎惹起性抗原 / cDNA / follistatin / cathepsin B / 6番染色体 / 若年性ネフロン癆 |
研究概要 |
これまでの研究において以下のことが明らかになった。 (1)ヒト尿細管基底膜抗原(hTIN-agと呼ぶ)のcDNAをクローニングし、その全塩基配列を決定した(DDBJ accession No.AB022277)。このcDNAは1,589の塩基からなり、18個のsignal peptideを含む476個のアミノ酸をコードしていた。これまでに報告されているウサギ、マウスのTIN-ag cDNAと約85%のホモロジーを示し、またC.elegans F26と約40%の類似性を認めた。N末端にはfollistatinモジュールや、von Willebrand因子、laminin α-1などと類似の配列があり、C末端はcathepsin Bとホモロジーを示した。 (2)ノーザンブロット法により、ヒトの成人ならびに胎児の腎組織での特異的に発現しており、他の臓器での発現は認めなかった。 (3)培養細胞にhTIN-ag cDNAを導入して蛋白発現を確認した。 (4)Backクローンを用いてFISH法でヒト染色体上の座位を検討したところ、hTIN-agは6番染色体短腕(6p11.2-12)に存在することが明らかになった。 (5)家族性若年性ネフロン癆患者でのhTIN-ag遺伝子の変異を明らかにする目的で、まず健康正常人からインフォームドコンセントと学内倫理委員会の承認を得た後に、末梢血白血球を採取、分離し、phorbor estelで刺激してhTIN-ag cDNAを強制発現させた。この白血球からmRNAを分離し、RT-PCR法によりcDNAを合成し、PCRによりhTIN-agcDNAのsequenceを決定しているところである。
|