研究概要 |
平成12年度は平成11年度で確立したマウスランゲルハンス細胞(LC)を95%以上に純化して採取する方法を用いて,LCからのIL-12産生について検討を加えた。これは将来的にLC株を樹立した場合にTh_1への誘導に重要とされているIL-12がLCから産生されるという報告がなかった為である。その結果マウスのLCは抗CD40+IFN-γ刺激によって強いIL-12産生が誘導されることが明らかとなった。LCが誘導されるためにはGM-CSF-とTGF-β_1が重要であることが示されているため,まずGM-CSFのLCからのIL-12産生への影響をみたところ著明に抑制されることが分かった。GM-CSF-はケラチノサイトから産生されるためケラチノサイト培養液を加えたところやはり抑制され,これは抗GM-CSF抗体添加によって解除された。このことはこれまでマウスLCからのIL-12産生の報告がみられなかったのは,LCの純度が低かった為と思われた。一方TGF-β_1を添加すると興味あることにIL-12産生は増強され,LCからのIL-12産生はGM-CSFとTGF-β_1のバランスによって決定されることが示された。
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