研究課題/領域番号 |
11470180
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
皮膚科学
|
研究機関 | 岡山大学 (2001) 富山医科薬科大学 (1999-2000) |
研究代表者 |
許 南浩 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70173573)
|
研究分担者 |
諸橋 正昭 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (50018719)
高石 樹朗 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (10303223)
宮崎 正博 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (90116509)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2001
|
キーワード | 皮膚 / RNA differential display / 遺伝子 / 分化 / フィラグリン / アクチン / 角化 / Ca結合 |
研究概要 |
[目的]皮膚科領域の主要な疾患の病因を理解し根元的な治療戦略を構築するため皮膚構成細胞の増殖・分化の制御に関わる遺伝子を系統的に単離し、解析する。 [方法]マウス胎児皮膚では発生が進むにつれて、より分化した層が順次付加されるという特徴に依拠し、この過程にRNA differential displayを適用して新規遺伝子を単離した。遺伝子およびその産物の解析には、多様な分子細胞生物学的技法を活用した。 [結果]1)最終的に発生の進展に伴って発現が上昇する新規遺伝子を6個、発現が低下する新規遺伝子を2個、単離し、順次解析した。その代表的なものを以下に示す。2)Hornerin : N-末にCa結合性のEF-ハンドドメインを持ち、中央の大部分はリピート構造からなる。皮膚、舌、食道、前胃の顆粒層細胞のケラトヒアリン顆粒にprofilaggrinと共局在している。表皮角化細胞を分化誘導するとprofilaggrinと共に誘導される。以上から、hornerinはprofilaggrinと共に角化過程に重要な役割を果たしているものと推定された。最近、ヒトゲノム情報も一部活用して、ヒトHornerinも同定した。3)Calmin : N-末に2つのcalponin homology (CH)ドメイン、C-末に膜貫通ドメインを持つ。皮膚、精巣、大脳の海馬、視床、小脳のプルキンエ細胞、肝臓、腎臓で発現し、その多くの組織で成熟と共に発現が増加する。細胞接着に関係することを示唆する結果も得た。4)tpis : tpisは角化重層扁平上皮の分化に関与しているものと推定された。5)副次的効果:本研究の知見・技術を応用して、がん関連遺伝子を複数単離し得た。6)単離された遺伝子はユニークでそれぞれ生物学的に重要な意味を持っていることから、本研究のようなアプローチは有意義であることが示され、当初の目的は果たしたと考えられる。
|