研究概要 |
インフォームドコンセントを得たループスエリテマトーデス患者よりの人工水疱表皮の採取し、無血清培地による患者表皮細胞の培養を行い、安定な培養細胞を得ることができた。培養細胞を用いて下記の実験を遂行した。 1.UVB(200mJ/cm^2)被照射細胞のapoptosisの確認をPI法,Nick labeling法で行った。全死細胞は患者群で多くみられたが、apoptosisの相対的な割合は正常人と比較して有意差がみられなかった。 2.抗SS-A/Ro抗体と反応部位をConfocal顕微鏡に検討し、細胞表面であることを確認した。しかし、一部細胞では、抗体が細胞質内にも局在していた。免疫電顕によっても、同様な事実が観察されたが、アーチファクトも多く方法の改善を検討しなければならないと結論された。 3.紫外線が照射された患者由来の培養表皮細胞に患者血清と患者あるいは正常人由来の単核とを反応させ,表皮細胞障害が生じるかいなかを検討したところ、患者では高い細胞障害活性が見られた。患者血清を,conventionalなSS-A/Ro抗原やU1RNP抗原,ssDNA抗原を用いて,吸収操作あるいはaffinity chromato.による抗体精製を行って,同様な実験を繰り返して行い,自己抗体に依存した表皮細胞障害であることを確認した。 4.培養液を回収し、ELISAによるSS-A/Ro抗原の検討や遊離した粗SS-A/Ro抗原のaffinity chromato.による精製は、現在のところ成功していない。
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