研究課題/領域番号 |
11470184
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
塩原 哲夫 杏林大学, 医学部, 教授 (10118953)
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研究分担者 |
早川 順 杏林大学, 医学部, 助手 (30255393)
水川 良子 杏林大学, 医学部, 助手 (50301479)
寺木 祐一 杏林大学, 医学部, 講師 (10188667)
成松 久 創価大学, 生命研, 教授 (40129581)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | Fucosyltransferase VII / CLA / Th1細胞 / 免疫組織化学 / CD4^+T細胞 / CD8^+T細胞 |
研究概要 |
本研究において、我々はFuc-TVIIに対するmAbを用いて組織や末梢血中のT細胞に発現しているFuc-TVIIを初めて蛋白レベルで同定することに成功した。Fuc-TVIIの発現は、末梢血リンパ球(PBMC)及びそれから分離精製したCD4^+あるいはCD8^+T細胞の細胞質に認められた。細胞株と異なり、これらのT細胞ではFuc-TVIIの発現は必ずしも細胞表面のCLA発現を伴っていなかった。Fuc-TVIIの発現は細胞質のゴルジ領域に、CLAの発現は細胞表面に認められた。正常人のPBMCを用いた解析では末梢血CD4^+あるいはCD8^+T細胞分画は、各々Fuc-TVII^+CLA^+、Fuc-TVII^-CLA^+、Fuc-TVII^+CLA^-の3つのpopulationより成り立っていることがわかった。CD4^+T細胞(CLA^-)をin vitroで抗CD3抗体にて刺激後様々な時期に採取し、経時的にそれらの発現を検討したところ、最初にFuc-TVII^+CLA^-があらわれ、次いでFuc-TVII^+CLA^+となり、最後にFuc-TVII^-CLA^+があらわれた。Fuc-TVII^+CLA^+CD4T細胞はアトピー性皮膚炎の増悪期などの皮膚の炎症の際のPBMC中に増加しているのに対し、Fuc-TVII^-CLA^+は慢性炎症の軽快期に増加が認められた。このうちでE-セレクチンに結合する能力を持っているのは、Fuc-TVII^+CLA^-とFuc-TVII^+CLA^+であり、Fuc-TVII^-CLA^+では殆ど認められないことがわかった。つまりFuc-TVII^-CLA^+分画は皮膚から末梢循環へ戻ってきた細胞と考えられた。
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