研究課題
平成11年度は、現有の研究用MRIと高性能スリューレートの傾斜磁場コイルを用いて、その性能限界の超高空間分解能を追求することにあった。初年度の超高空間分解能の具体的達成目標は、50μmを第1段階の目標とし、超高空間分解能達成のためのスピンエコー法パルスシークエンスの作成と、マウスサイズを目標とした小型ボリュウムコイルの試作を行う。これらの、ハード・ソフトウエアを用いたS/N測定と画像の結果から、更なる超高空間分解能の可能性について実験的に検討を行った。平成12年度は、1.5Tの臨床用装置での高解像度イメージング用ハイブリッド装置の製作を行い、その実用性の調整と確認を行った。この、新しいシステムでの高分解能は1画素あたり100ミクロン50ミクロンを目標としている。1.5Tの磁場でのこの分解能の達成は、1.5Tで期待されるS/Nから考えてほぼ理論的限界値に近く、困難が予想される。今後は、臨床使用を考慮して、1.5Tの臨床用装置で高分解能イメージングに最適なパルスシークエンスを施行することによって、臨床応用の可能性を検討する。問題点としては、ボリュウムコイルに関してさらに小型高性能な仕様を要求されるということである。具体的な小型コイルの大きさは、コイル径1cm以下でQ値100以上の高性能が必要であると考えられる。今後は、高感度プローブの開発と同時に、病理資料等を用いて、得られた高空間分解能MRI画像との比較検討を行い、臨床的な技術評価を並行して行う。即ち、初年度の到達目標は平面空間分解能30μm以下の解像力を有するMRI画像の作成を行うことにある。
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