研究概要 |
1)ファントムの作成 ヒトの脳で検出される代謝気質(NAA,Cr,Cho,ml,Lac,Glx,Glu)を10〜50mM濃度で10〜50mM濃度のKH_2PO_4に溶解させて作成し,PHを7.0〜7.1に調整した. 2)位相補正の自動化の検討 上記ファントムを利用して単位体積あたりの水スペクトルの化学シフトからpeak fitting法を利用して位相補正の自動化を行った.通常のCSI検査に続けて,水抑制なしのCSI検査を行って得られる同一ボクセルにおける水スペクトルを利用した. (3)静磁場(B0)とラジオ周波数磁場(B1)の不均一性の補正 上記ファントムを利用して単位体積あたりの水スペクトルの信号を利用してB0やB1の不均一性による影響の補正を検討した.B1補正は水スペクトルの信号強度を用いて,B0補正は水スペクトルのpeak registration法を用いて行った.CSIの再構成は分散モードによりある一定幅の水の積分で信号を補正して,256×256の表示マトリックスにフーリエ変換法で補間拡大した. 4)脳代謝基質のT2緩和時間の補正 脳代謝基質のT2緩和時間の影響を補正した.繰返し時間(TR)を5秒以上の一定値に設定して,エコー時間(echo time;TE)を変化させて各代謝基質のT2緩和時間を計測し,ファントムにおける代謝基質の定量化への影響を検討した. 5)脳代謝基質のT1緩和時間(スピン・スピン緩和時間)の補正 脳代謝基質のT1緩和時間の影響を補正した.各代謝基質のT1緩和時間を計測し,ファントムにおける代謝基質の定量化への影響を検討した. 装置は東京大学医科学研究所附属病院放射線科が現有の米国GE社製Signa Horizon 5.7 version(1.5T)を用い、データの解析にはシリコングラフィックス社製ワークステーションを使用した.
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