研究概要 |
1)ファントムによる脳代謝基質量定量の補正 昨年度に作成したファントム(NAA,Cr,Cho,ml,Lac,Glx,Gluを50mM濃度で、PHを7.1に調整)を使用して、それぞれの代謝基質のピークを足し合わせた標準ファントムデータを作成した。高信号強度のファントムデータ測定は37℃で行った。この標準ファントムデータを用いて実際のヒトでの脳のスペクトルデータのfittingを行うことで、化学シフト値及び定量化の精度の亢進が達成された。来年度はこの手法で臨床データの補正を行っていく予定である。 2)プロトンスペクトロスコピー映像法の組織分画 正常脳における灰白質と白質、脳脊髄液の組織分画を行った。使用した撮像法は3次元T1強調SPGR法(スライス厚=1mm)および高速スピンエコー法によるT2強調画像(スライス厚=2mm)、プロトン密度強調画像(スライス厚=2mm)で、後2者から測定したT1計算画像と計算画像(スライス厚=2mm)も使用した。 この手法で正常脳のプロトンスペクトロスコピー映像法おいて組織分画が可能で、各組織における代謝物の定量化が行えた。今後、これらの精度を向上させていくことと検査時間の短縮を達成していくことが必要である。 前年度に検討したように単位体積あたりの水スペクトルの信号を利用してB0やB1の不均一性による影響の補正を検討した.B1補正は水スペクトルの信号強度を用いて,B0補正は水スペクトルのpeak registration法を用いて行った.CSlの再構成は分散モードによりある一定幅の水の積分で信号を補正して,256×256の表示マトリックスにフーリエ変換法で補間拡大した.装置は東京大学医科学研究所附属病院放射線科が現有の米国GE社製Signa Horizon 8.25 version(1.5T)を用い、データの解析にはシリコングラフィックス社製ワークステーションを使用した.
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